2024.02.09
歯周病とは
歯周病とは、細菌の感染が原因で、歯の周り、歯茎や歯を支えている骨(歯槽骨)が腫れたり、歯茎から膿(うみ)が出たりします。
さらに進行すると、骨がとけてしまい、歯が抜ける可能性もある恐ろしい病気です。
なぜ歯周病の症状が起きるの?
歯周病の進行する原因に「歯石」があります。歯石とは口の中にいる常存菌であるばい菌がかたまって石のようになったものです。
歯石は2種類あり、“歯茎の上についている見えている歯石”と“歯茎の中にある見えない歯石”に分かれます。目に見える歯石は唾液の成分でかたまるので白い石のように見えます。歯茎の中にある歯石は歯茎などからの出血、血によってかたまるので黒い石のように見えます。黒い歯石は目に見えない部分に広がってしまいます。歯石があると、どうなのでしょうか?歯石はばい菌のかたまりのすみかです。まず歯茎はこのばい菌たちと戦おうとして免疫反応を起こします。血液を送り出して、身体を守ろうとします。これが歯茎が腫れる原因です。歯石がある部分の歯茎は、免疫反応で血液でふくれあがりぶよぶよとしてきます。そして免疫反応をもたない骨は、ばい菌に感染しないようにばい菌から逃げてしまいます。これが骨がとけていく原因です。
歯周病の危険性
一度とけてしまった骨は二度と元に戻ることがありません。歯周病の一番おそろしいのがこれなんです。歯茎の腫れは治まりますが、とけた骨は戻ってきません。骨がとけると聞くと怖いですが、ゆっくりゆっくりとけていくので、実はお痛みなどが出ないのも、歯周病のやっかいな一つです。
また、歯周病菌は全身疾患の原因菌とも言われており、心疾患のリスクを3倍、脳血管障害を4倍、糖尿病を2倍悪くすると言われています。
健康な歯を維持するために
歯周病の進行、骨の高さをキープするために、諸悪の根源である歯石を除去しましょう。石というだけあるので、歯ブラシでは取りのぞけませんので、歯科衛生士が専用の器具でお取りさせていただきます。
メンテナンスの流れ
- 口腔内審査
歯周ポケットの測定とRFで口腔内写真を撮影し、虫歯・歯周病がないかどうか、患者様の気になっている歯の状態について検査します。 - PTC(professional tooth cleaning)
歯ブラシ・歯間ブラシ・フロスなどの清掃用器具を使用し、丁寧にクリーニングを行います。大きい汚れが残っていると、超音波でSC(スケーリング)したときに取り切れない場合があるため事前にPTCを行います。 - SC(スケーリング)
歯ブラシによるブラッシングだけでは落としきれない歯の表面に付いた歯石を、超音波の振動で粉砕・洗浄しながら綺麗にしていきます。 - PMTC(professional mechanical tooth cleaning)
歯と歯の間や、歯面についた汚れや着色を落としていきます。歯の表面をツルツルに研磨することで虫歯や歯周病の予防をすることができます。 - フッ素塗布
歯から溶け出したリンやカルシウムなどが、再び歯に戻ろうとする力を促進し、虫歯菌の働きを抑えます。虫歯になりにくい歯にする効果があります。
最後に
歯周病とは細菌が原因で、歯の周り、歯茎や歯を支えてくれる骨(歯槽骨)が腫れたり、骨がとけてしまう病気です。定期的なメンテナンスを行うことで、歯周病の進行を遅らせることや、早期発見に繋がります。ぜひお気軽にご相談ください。