2024.07.08
出っ歯は押して治せる?根本的な出っ歯の治療方法やセルフチェックポイントも紹介
「もしかしたら出っ歯って押してたら治る?もしできるなら試してみたい」
出っ歯に悩んだ挙句、このように考えている人はいませんか?
結論からお伝えすると、出っ歯は押して治るほど簡単なものではありません。無理に押してしまうと別の不具合が出る可能性もあるのでやめておきましょう。
本記事では出っ歯は押しても治らない理由や、根本的な治療法、出っ歯をそのままにしておくリスクを紹介しています。
出っ歯に悩んでいる人は、ぜひ記事内容をご確認ください。
出っ歯は押せば治るって本当なの?
出っ歯は素人が押して治せるほどシンプルなものではありません。
出っ歯を押して治せない理由を3つのポイントにて、説明します。
- 出っ歯を押して自力で治すのは難しい
- 歯が動く仕組みとは
- 出っ歯を押すと危ない
出っ歯を押して自力で治すのは難しい
インターネットやSNSを見ていると、出っ歯を押していたら治ったという記載を見かけることがあります。
歯科医院へいかず、自分で治せるのであればそれにこした事はありません。良い治療法を見つけたと喜ぶ人も多いのではないでしょうか。
しかし、実際に自力で出っ歯を押し続けて綺麗に治すのはかなり難しいです。
歯に力をかけ続けて動かすことはできますが、素人の見立てで出っ歯を綺麗に収めるのは無理だと考えておいた方が良いでしょう。
歯医者になってから長らく矯正の勉強した人でも、思う通りに動かせないのが歯列矯正です。素人の手作業で成功する確率はかなり低いでしょう。
歯が動く仕組みとは
矯正治療では、ワイヤーで引っ張って歯を動かしているわけではありません。
歯と歯を支える骨の間には歯根膜というクッションのような組織があります。矯正治療は歯根膜の吸収と骨の再生をうまく利用して、歯を動かします。
矯正治療は、綿密な計算と計画の上に成り立つ治療です。歯を押す行為には根本的な歯を動かす原理にかなっていません。
仮に歯を押して動いたとすると、他の要因が関連しているとしか考えられません。
出っ歯を押すと危ない
歯に強い力を加えると、歯の根本が折れてしまう、動きに耐えられず歯の神経が死んでしまう、などのリスクが考えられます。
弱い力でも、継続的に力を与え続けると歯の根が骨に吸収されて短くなる「歯根吸収」が起きることも想定されます。
歯を押し続ける行為は、力加減や向きを考えずに行うため、歯根吸収は起きやすくなるでしょう。
歯根吸収を起こすと歯の根が短くなるため、耐性がなくなり抜けやすい歯になってしまいます。
出っ歯を治す方法
出っ歯は不正咬合と呼ばれる症状の一つです。不正咬合は歯列矯正によって修正されます。
美容整形にて顎の骨を切る手術を受けて出っ歯を治す方法もありますが、骨格だけの問題に終始しない噛み合わせの不具合は、顎の骨を切っただけでは解決しないことも多いです。
根本的に出っ歯を治したい場合、歯列矯正を選ぶようにしましょう。
出っ歯を治すための矯正治療の方法を3つ、紹介します。
- 全体矯正と部分矯正
- マウスピース矯正
- 表側矯正
- 裏側矯正
全体矯正と部分矯正
出っ歯を治すための矯正方法は全体矯正と部分矯正の2つです。
全体矯正は歯列全体の矯正治療で、部分矯正は一部の歯列を矯正する治療方法です。
基本的に全体矯正は部分矯正よりも矯正期間が長く、費用は割高です。
全体矯正は費用はかかるものの、歯列全体を矯正できるため、噛み合せまで細かく治療できるメリットがあります。
一方で部分矯正は矯正期間が短く、費用を抑えられますが、噛み合わせまでは対応できません。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、微妙に形が違うマウスピースを順番に交換しながら装着して力をかけることで歯を動かす矯正方法です。
治療に使用するマウスピースは透明で、装着していることがわかりにくいということもあって、注目を集めている治療法です。
効果を得るには1日20時間の装着が必要ですが、食事や歯磨きの際は取り外しできます。
費用の目安は全体矯正で60〜100万円、部分矯正の場合、10〜40万円です。
表側矯正
表側矯正は、ブラケットと呼ばれる金具とワイヤーを歯の表面に装着して、ワイヤーの力で歯を動かす矯正方法です。
古くからある矯正方法で、矯正と聞くと表側矯正をイメージする人も多いのではないでしょうか。
ブラケットのワイヤーは通常、金属製を使いますが、金属製はあまりに目立つため、白や透明の目立ちにくい素材を使うクリニックも多いです。
費用目安は、全体矯正の場合60〜130万円、部分矯正の場合30〜60万円です。
裏側矯正
裏側矯正はブラケットとワイヤーを歯の裏側に装着してワイヤーの力で、歯を動かす矯正方法です。
歯の裏側に矯正装置をつけるため、表側矯正に比べると矯正していることがわかりにくいメリットがあります。
表側矯正よりも高い技術が必要になるため、対応していないクリニックもあります。
費用は表側矯正に比べてやや割高で、全体矯正の場合100〜170万円、部分矯正の場合40〜70万円です。
出っ歯の状況をセルフチェック
出っ歯はセルフチェックでも確認できます。もしかしたら出っ歯かもしれない、と不安に思う方は、一度セルフチェックを試してみましょう。
チェックポイントは次の3点です。
- 上下の前歯の先端に隙間が4㎜程度ある
- 意識しないと唇が閉じられない
- 口を閉じると顎先にシワがよる
上下の前歯の先端に隙間が4㎜程度ある
上の前歯と下の前歯の先端の隙間を専門用語ではオーバージェットと言います。真横からみた場合に、オーバージェットが2㎜〜3㎜であれば正常です。オーバージェットが4㎜以上あると、出っ歯の部類です。
一般的に出っ歯の判定は、上の歯と下の歯のズレ幅で診断されます。
意識しないと唇が閉じられない
出っ歯になると前に出ている歯が邪魔になるため、グッと力を入れないと唇が閉じられない症状が出ます。
気を抜くと口が開いた状態になるのが出っ歯です。
次の3つの症状に心当たりがある人は、出っ歯が疑われます。
- いつも口が半開き
- 唇を閉じようとすると口周りが疲れる
- 口の中が乾燥しやすい
口を閉じると顎先にシワがよる
出っ歯の人は、口を閉じようとすると、出っ歯が邪魔をして上唇を下までおろすことができません。
その代わりに下唇を上に伸ばしてカバーしようとすると、無理に力が入ってしまい、顎にシワができてしまいます。
自分の口を閉じてみて顎先に妙なシワがよっている場合、出っ歯を疑った方が良いでしょう。
出っ歯は放っておくとどうなる?
体の特徴として定着していれば問題はありませんが、中には出っ歯が身体へ影響を及ぼすケースもあります。
出っ歯が心身へ与える影響を2つのポイントにて、説明します。
- 歯周病のリスクが増える
- 咬合力が低下
歯周病のリスクが増える
出っ歯と歯周病の関連性は広く認識されています。歯周病によって出っ歯になり、噛み合わせによってさらに歯周病が悪くなるという悪循環です。
このまま歯周病が進行すると、歯根膜や歯槽骨にも影響を与えることになり、最悪の場合、歯を失う可能性もあります。
出っ歯の違和感を感じる場合は、早めに歯科医院にてチェックしておいた方が良いでしょう。
咬合力が低下
出っ歯によって咬合力が低下すると、咀嚼効率が悪くなり、さらには消化にまで影響する可能性があります。
その他、うまく発音しづらくなるなど、コミュニケーションにも支障が出てくるかもしれません。
口腔内の総合的な健康にも影響を及ぼす可能性も考慮しておきましょう。
まとめ
出っ歯は見た目の問題だけでなく、咀嚼など体への影響まで懸念される症状です。見た目にも良いとは言い難いため、できれば早めに治療した方が良いでしょう。
ヨクシオファミリー歯科住道では、ワイヤー矯正やマウスピース矯正の他に、顎機能矯正にも対応しています。噛み合わせ全般についてお悩みの方はぜひご相談ください。