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2024.12.12

歯が根元から抜けたときはまず歯科医院へ!応急処置なども詳しく紹介

歯が根元から抜けてしまい、どうしようと焦っている人はまずすぐに歯科医院へ向かいましょう。

早めの治療ができれば歯が元通りになる可能性は高いです。時間が経過してしまうと、元通りにできなくなり、他の治療方法を採用せざるを得なくなります。

 

本記事では歯が根元から抜けた時の応急処置や、歯の保存方法など、事細かな対処法を紹介しています。

歯が根元から抜けて緊急事態に直面している人は、記事内容をご確認ください。

歯が根元から抜けたら30分以内に歯科医院へ

歯が根元から抜けてしまった場合は、迷わずにすぐ歯科医院へ急ぎましょう。抜けた後の直後の対処法次第では歯を元に復元できる可能性があります。

 

抜けた歯の根元部分の表面は歯根膜という組織が付着しており、歯根膜は歯槽骨と歯をつなぐ重要な役割を持っています。

歯根膜が生きている間に適切な処置をしなければ、回復は見込めません。乾燥に弱い組織なので、抜けた直後の30分がとても重要というわけです。

適切な保存をして、すぐに歯科医院へ向かいましょう。

歯周病による歯の脱落の場合

歯周病が進行すると歯茎や顎の骨が溶けてしまい、最後は歯が脱落します。

歯を失う最大の原因が歯周病と言われており、歯周病によって脱落した歯は元に戻せません。

初期の歯周病で見られる症状は次のとおりです。

  • 歯がぐらつく
  • 歯茎が腫れてブヨブヨになる
  • 歯茎を押すと出血したり、黄色な膿が出てくる
  • 口臭がキツくなる

歯を守るためにも、歯周病には十分に気をつけて日々の予防を心がけましょう。

歯が抜けたときの応急処置

歯が抜けたときに取り急ぎ対応したい応急処置を2つ紹介します。

  • 取り急ぎ止血する
  • 口の中を清潔にしておく

取り急ぎ止血する

歯が根元から抜けて出血がある場合は、まずは止血しましょう。

清潔なガーゼを歯が抜けた穴に当てて止血を試みます。もしガーゼがなければティッシュペーパーで代用することもできます。

ガーゼやティッシュを力強く押し当ててしまうと逆に出血が激しくなることもあるので、力を入れすぎないようにしましょう。

口の中を清潔にしておく

出血が収まってきたら、水かぬるま湯でかるく口をすすいで口内を清潔に保つようにしましょう。

歯が抜けてしまった穴を歯ブラシで磨いたり、綿棒や爪楊枝で触ったりなど、刺激を与える行為は厳禁です。

余計な患部を刺激してしまい、感染症や骨髄炎など厄介ば病気を引き起こしてしまいます。

抜けてしまった歯の保存方法

抜けてしまった歯は、とにかく乾燥から歯根膜を守る必要があります。

保存方法として最良の方法は次の2つです。

  • 抜けた歯を穴へ入れる
  • 牛乳または生理食塩水で保存

それぞれの保存方法について、詳細を説明します。

なお、乾燥を防げば良いといって、水道水やミネラルウォーターで保存するのはNGです。浸透圧の関係で歯根膜の組織が変性する可能性があります。

抜けた歯を穴へ入れる

抜けた歯を流水ですすいだ後に、抜けた穴に差し込んで元通りにしておきます。幾つかの保存方法がありますが、もっとも良いのは口の中で保存する方法です。

もし、何らかの理由で穴に歯を差し込めない場合は、頬の内側や舌の裏で歯を挟むようにして、歯科医院へ急ぎましょう。

口の中で歯を保存するときは、そのまま飲み込んでしまうことのないように気をつけましょう。

牛乳または生理食塩水で保存

抜けた歯を口の中で保存するのが難しい場合は、牛乳もしくは整理食塩水にひたして保存する方法もあります。

学校で抜けた場合は、保健室にある歯の保存液の中に歯をひたすのも良い保存方法です。

歯冠部分を持つ

抜けた歯を手で扱う時は、根元は避けて歯冠部分を手で持つようにしましょう。歯の根元を持ってしまうと、歯根膜にダメージを与えてしまいかねません。

歯が抜けたまま放置することのデメリット

「歯が抜けてしまったものの、特に影響がなさそうなのでそのままにしている」という人は案外多いのではないでしょうか。

トラブルもないのに何度も通院したり治療費用を捻出したりするのは嫌だ、という考え方ももっともです。

しかし、口の健康は歯のバランスで他保たれていることを忘れてはいけません。歯を1本失っただけでもさまざまな悪影響が出てきます。

歯の機能に及ぼす影響

歯が抜けたままに放置していると、抜けた部分の反対側の歯が伸びてくることによって、歯の位置が大きく変わってしまいます。

抜けた歯の両隣の歯も内側に傾き始めます。1本歯を失っただけでも口腔内の全体のバランスが大きく変わってくることを認識しておかなければいけません。

全体のバランスが崩れてしまうと、一部分に噛む力が集中してしまい、顎の関節の痛みが出る、歯の寿命が短くなる、などの悪影響が現れます。

見た目に及ぼす影響

当然のことですが、歯が抜けていると見た目がとても悪くなります。仮に外側から見えない場合でも抜けた部分の歯槽骨は下がってしまうため、歯茎が下に下がるリスクにも注意が必要です。

奥歯が無くなると、ほおがこけて見える、顎が内側に寄るなど、外見上、老けた印象を与えてしまいます。

毎日の生活に及ぼす影響

噛み合わせが悪くなると、食事や熱音への影響のみならず、認知機能にまで大きな影響を及ぼすと言われています。

きちんと咀嚼できないと体への負担は増すばかりです。歯が抜けた部分から息が漏れてしまうため、「ハ行」「ラ行」「サ行」の発音はかなり苦手になってしまうでしょう。

しっかり噛めなくなると、脳への刺激が少なくなり、認知症のリスクを高めるケースもあります。

抜けた歯を再生する場合の治療方法

抜けた歯の再生に治療が必要な場合は、3つの方法から選択することになります。

各治療方法のメリット・デメリット、保険適用について一覧表にまとめました。

 

メリット デメリット 保険適用
インプラント ・自分の歯と同じように噛める

・見栄えが良い

・異物感がほとんどない

・何本でも治療可能

・外科手術が必要

・ある程度の治療期間が必要

・費用が割高

・骨造成治療が必要なケースもある

なし
再植治療 ・自分の歯で再生できる

・違和感はほとんどない

・時間が経過すると治療の成功率が下がる あり
ブリッジ ・治療期間が短い

・入れ歯よりも噛み心地が良い

・両隣の歯を削る必要がある

・両隣の歯に強い負担がかかる

・歯を失った場所次第では治療不可

あり(セラミック素材を使うと保険適用外)

 

それぞれの治療ごとに詳細を説明します。

再植治療

再植治療とは、抜けた歯を元に戻すための治療法です。

事故などで思いもよらず歯が抜けてしまった場合や、歯並びの問題を改善したい時に意図的に抜歯して、再度歯を元の場所へ戻します。

 

再植治療が成功する目安は歯が抜けてから経過した時間と、歯の状態によって大きく代わります。

歯が抜けた後、30分を経過したあたりから成功率は大きく低下するため、早めの対処が望ましいです。

1時間以上経過すると成功の希望はほぼなくなると考えて良いでしょう。

歯の根っこが折れていたり、骨が損傷していたりする場合も再植は難しくなります。

インプラント

インプラント治療は歯根を失った部分に人工歯根を埋め込む治療です。人工歯根と骨の結合によって、天然歯と同じ噛み心地を取り戻すことができます。

再植治療ができなかった場合に、他の選択肢として選ばれる治療法の一つです。

インプラントは自分の歯を残すことができる上に、ブリッジに比べて自然な噛み心地が得られる大きなメリットがあります。

一方で、手術が必要になる点や治療費が高くなりがちな点はデメリットとなるでしょう。

ブリッジ

再植治療ができない場合の選択肢として、インプラントの他にブリッジ治療もあります。

ブリッジ治療は両隣の歯を支えにしつつ人工歯を装着する治療法です。

3本ブリッジは2本、2本ブリッジは1本とそれぞれ両隣の歯を削って装着します。1本ブリッジは片側の歯のみ削ります。

ブリッジは短期間で治療を完結できる点と、保険適用内での治療ができる点がメリットです。

歯を削りつつ、両側の歯に強い負担をかけるため、状態次第では治療ができないケースもあります。

まとめ

 

歯が根元から抜けた時は、直ちに歯科医院へ向かいましょう。歯が抜けた後、30分以内に再植治療ができれば元の場所に再生できる可能性が高いです。

元通りにできなかった時はインプラントやブリッジ治療によって、抜けた穴を義歯でカバーします。

ブリッジや事故による再植治療は保険適用の範囲内ですが、インプラントは自由診療となるため治療費は割高です。

再植治療以外の治療を検討する時は、歯科医師と相談の上、最良の方法を選ぶようにしましょう。

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