2025.03.22
子供のすきっ歯はこのままでも大丈夫?矯正が必要なケースやすきっ歯の原因を紹介
「子供のすきっ歯は自然なものだからそのままでいいと聞いたことあるものの、本当なの?」
「すきっ歯をそのままにしていたらどうなる?」
など、新たにでき始めた子供のすきっ歯をみて、不安を感じている親御さまも多いのではないでしょうか。
子供のすきっ歯は、そのままにしておいた良いケースと矯正をした方が良いケースがあります。正しい判断を下すには歯科医師による検診が必要です。
本記事では、子供のすきっ歯の原因や治療が必要なケースなどを詳しく紹介しています。子供のすきっ歯が気になる親御さまは、ぜひ記事内容をご確認ください。
子供のすきっ歯とは?
すきっ歯という呼び方は俗称で、正式名称は「空隙歯列(くうげきしれつ)」や「歯間離開歯(しかんりかいし)」です。歯と歯の間に隙間がある状態を指していいます。
子供のすきっ歯の原因は様々ですが、先天的・後天的な理由で歯列が乱れるケースと、発育の過程で一時的に隙間ができる「発育空隙(はついくくうげき)」の可能性があります。
成長段階でできる乳歯の隙間は、必ずしも治療が必要ではありません。
子供の年齢やすきっ歯の原因次第では治療方法が変わるため、すきっ歯の治療を検討する場合は、かかりつけの歯科医師へ相談して治療方針を決めます。
子供のすきっ歯の原因
子供の歯の成長過程で、なぜすきっ歯が現れてしまうのでしょうか。
考えられるすきっ歯の原因を5つ、ピックアップしてみました。
- 口呼吸
- 上唇小帯の長さ
- 悪い癖の影響
- 乳歯が早々に抜けてしまった
- 生まれつき歯の本数が多い・少ない
口呼吸
口呼吸が習慣化してしまうと、歯並びに影響が出やすくなります。鼻呼吸では舌が上顎に接触して自然な力が顎に加わるため、顎の自然な成長が阻害されることはありませんが、口呼吸の場合は舌が下がってしまい、歯に余計な力がかかることで、すきっ歯を誘発します。
また、口呼吸は口腔内の乾燥によって、虫歯や歯周病の原因にもなる悪習慣です。
口呼吸を続けていて良いことはありませんので、早めに治療した方が良いでしょう。
上唇小帯の長さ
上唇小帯とは、上唇と歯茎を繋いでいる筋のことをいいます。上唇をめくると現れる繊細な筋繊維です。
上唇小帯が発達して長くなりすぎると、上の前歯の間に入り込んで隙間が形成され、自然とすきっ歯になります。
上唇小帯は乳幼児の頃は大きいですが、時間の経過とともに少しづつ小さくなっていきます。とりあえずはあまり気にする必要はありませんが、すきっ歯がどうしても治らない場合は、上唇小帯を切る手術を検討しなければいけません。
悪い癖の影響
指しゃぶりや舌で前歯を押し出す癖は、子供の歯並びに大きな影響を与えます。指しゃぶりや舌癖が治らないと、前歯が前に押し出されて隙間ができやすくなる、というわけです。
乳幼児から小学生低学年時の習慣は、永久歯の生え方に大きな影響を及ぼすことがあるため、注意が必要です。
知らない間に悪習慣が根付いてしまった、ということもありますので、子供が小さな頃はよく親御さまがよく観察してあげましょう。
乳歯が早々に抜けてしまった
虫歯や怪我によって乳歯が早く抜けてしまうと、隣の歯が空いたスペースに移動してしまい、隙間が生まれてしまうこともあります。乳歯の早期脱落をそのままにしておくと、すきっ歯だけでなく、将来的に歯並びの問題が顕在化する可能性が高いです。
乳歯は、永久歯が正しく生えるための道標の役割を持っています。早々と乳歯がなくなってしまうと、道標を失った永久歯はどこに生えたら良いのか分からなくなり、結果として歯並びが乱れてしまいます。
生まれつき歯の本数が多い・少ない
永久歯の本数が元から少ない場合や、歯のサイズが小さな場合は、歯が並ぶ土台部分に余計なスペースができてしまうため、すきっ歯ができやすくなります。
また、歯の本数が多い過剰歯では、永久歯が歯茎の中に埋まったまま出てこない可能性が高いです。その結果、埋まったままの永久歯が邪魔をして、歯列の乱れに繋がります。
過剰歯は上顎の前歯部分で発生することが多く、前歯の隙間になりやすい傾向があります。
すきっ歯の治療が必要な場合の開始時期と必要性
すきっ歯がよく見られる時期は、乳歯が永久歯に生え変わる6歳から7歳頃です。もし、すきっ歯の治療を必要として、治療を開始する場合は、上の前歯が生え変わる7歳頃が適しています。
成長に伴うすきっ歯の場合は、永久歯への生え変わりの段階で自然となくなっていくため、特別な治療は必要ありません。
過剰歯や事故などによる歯の欠損、悪い癖などですきっ歯になっている場合や、どうしても見た目が気になるという場合は、永久歯が全て生え揃った後の歯並びを考慮しつつ、矯正治療を実施します。
すきっ歯を治療せずそのままにするリスク
すきっ歯は自然になくなるケースもありますが、そのままにしておくと悪い影響を与えるケースもあります。
本項では、すきっ歯をそのままにしておくことで想定されるリスクを4つ、ピックアップしました。
- 噛み合わせの悪化
- 正しい発音ができない
- 歯並び全体への影響
- 自信を持って笑えなくなる
噛み合わせの悪化
すきっ歯の状態次第では、噛み合わせの悪化に繋がることもあります。噛み合わせが悪いと食べ物をうまく噛み砕くことができなくなるため、注意が必要です。
十分に噛み砕かずに飲み込んでしまうと、胃腸へ負担がかかります。胃腸へ負担をかけ続けると、慢性的な消化不良に陥る可能性もあります。
正しい発音ができない
前歯に隙間があると、正しい発音を阻害してしまいます。発音の不鮮明さは、特にサ行とタ行にて顕著に現れます。友達との会話や授業中の発言で正確な発音ができないと、劣等感から自己肯定感を下げてしまいかねません。
歯並び全体への影響
すきっ歯をそのままにすると、隣接する歯が隙間を埋めるために移動しようとするため、歯並び全体に悪い影響を及ぼす可能性があります。歯が移動して歯列全体のバランスが崩壊してしまうと、将来、大掛かりな矯正が必要になるでしょう。
自信を持って笑えなくなる
すきっ歯は見た目がよくありません。自分の見た目に敏感な子供は、相対的に自分の歯並びがおかしいと感じてしまい、笑顔が苦手になってしまうかもしれません。
友達とのコミュニケーションがうまく取れずに、積極的な学校生活が遅れなくなる可能性もあります。
まとめ
子供の成長過程におけるすきっ歯はそのままにしておいても治りますが、他の要因にてすきっ歯ができてしまった場合は、矯正治療しなければいけない場合もあります。
すきっ歯ができた原因を特定できれば、矯正治療の必要性を判断できます。
個人の判断では、矯正治療の必要性を見極めることはできません。気になる親御さまは、歯科医院にて見極めてもらいましょう。
定期検診では歯の成長過程を定期的にチェックするため、矯正治療の必要性を無理なく判断できます。
すきっ歯が気になる親御さまは、歯の定期検診も合わせて検討してみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございます。お子様の歯でお困りの方はヨクシオファミリー歯科住道までご相談くださいませ。