2024.05.31
歯を抜いた後の治療は、入れ歯とブリッジのどっちがいい?保険適用外の費用も紹介
歯を失った時の治療として、入れ歯かブリッジを歯科医院で提案されたことがある方も多いと思います。どちらも健康保険を適用できるものがあり、治療終了までにかかる期間が1~2ヵ月程度と、比較的短いという利点があります。
ただ、入れ歯やブリッジにもデメリットはあります。この記事では、入れ歯・ブリッジのメリット・デメリット、費用の目安についてお伝えします。
入れ歯とは
入れ歯とは義歯とも呼ばれているもので、取り外し式のものをいいます。歯が抜けた本数に応じて部分入れ歯と総入れ歯があります。
部分入れ歯
部分入れ歯は、歯茎の役割を担う床(しょう)に義歯を取り付け、クラスプと呼ばれるバネを残った歯に引っ掛けて固定します。取り外しが可能です。
総入れ歯
総入れ歯は、上下どちらかのあごの歯がすべてない場合に使われる装置です。歯茎の役割をする床(しょう)に義歯を取り付けてあります。上あごと下顎の歯茎に吸盤のように密着させて装着する入れ歯です。
入れ歯のメリット
- 保険で作る場合には安価
- 短期間で作ることができる
- 壊れても修理ができる
入れ歯のデメリット
- 違和感が強い
- 噛み心地が弱い
- 歯茎と入れ歯の間に食べかすが入りやすい
- 見た目が悪くなることがある
- 取り外しが面倒
- あごの骨が痩せてしまいやすい
ブリッジとは
ブリッジは、歯が抜けた両隣の歯を削って、橋を渡すようにつながった人工歯をかぶせる治療法です。
ブリッジのメリット
- 短期間で作ることができる
- 保険で作る場合には安価
- 噛む力は入れ歯より強い
- 違和感が少ない
ブリッジのデメリット
- 健康な歯を削らなければならない
- 支えている歯に負担がかかりやすい
- 自分では装置と歯の隙間をきれいに掃除することが難しい
- 保険適用のものだと見た目が悪くなることがある
- あごの骨が痩せてしまいやすい
- 奥歯がない人や連続して多くの歯がない人はできない
失った歯の治療には入れ歯とブリッジのどちらがおすすめ?
ここまで入れ歯とブリッジ、それぞれのメリット・デメリットを見てきました。では歯を失ってしまった場合の治療法として、どちらが良いのでしょうか?
まず、ブリッジには支えとなる歯がないと固定できないので、
- 失った歯の両側に健康な歯がない
- 奥歯がない
- ほとんどの歯が失われている
にあてはまる方は、基本的に入れ歯となります。また、健康な歯を削りたくない方は、ブリッジより入れ歯の方が良い面もあります。
一方、保険適用の入れ歯はしっかり噛みたいと考える方にはあまりおすすめできません。
下の入れ歯とブリッジの比較表を掲載しますので、ご参考ください。
入れ歯とブリッジの比較表
入れ歯 | ブリッジ | |
取り外し式or固定式 | 取り外し式 | 固定式 |
違和感 | 大きい | 少ない |
周囲の歯への影響 | 大きな負担がかかる | 大きな負担がかかる |
顎の骨吸収 | 大きい | 大きい |
噛みごごち (天然歯との比較) | 3割程度 | 6割程度 |
お手入れの注意点 | 毎日外して洗浄する必要がある | 丁寧なケアが毎日必要 |
見た目の良さ | 部分入れ歯だと金具が 見えることがある | 保険だと見た目に問題が 出ることがある |
どのくらい持つか | 5〜6年 | 5〜6年 |
治療期間 | 1~2ヵ月 | 1~2ヵ月 |
見た目が自然な自由診療の入れ歯もある
一旦、保険適用の入れ歯にしたものの、自由診療の入れ歯やブリッジ、インプラントなどの治療法に変える方もいます。その理由として多く挙げられるのが、「見た目が悪い」「しゃべりにくい・食べにくい」「痛みがある」です。
ここでは保険適用と自由診療、2タイプの入れ歯について紹介します。
保険適用の入れ歯のメリット・デメリット
国民健康保険などの適用範囲内で入れ歯を作る場合は材料が限定されているため、床がプラスチック(レジン)で、部分入れ歯の場合はクラスプが金属になります。
プラスチック製の入れ歯は
- 料金が安い
- 修理しやすい
といったメリットの一方、
- 見た目が不自然
- 分厚くなりやすく、しゃべりにくい
- 外れやすい
- 強く噛めない
- 食べ物の味や温度、食感が分かりにくい
などのデメリットがあります。
自由診療の入れ歯のメリット・デメリット
自由診療の入れ歯にはいくつかの種類があり、当院で取り扱っているのは
- 金属床デンチャー
- ノンクラスプデンチャー
- コーヌスデンチャー
の3つです。保険診療のものに比べて見た目が自然で、使い心地も良いものが揃っています。それぞれについて、以下で説明します。
- 金属床デンチャー(総入れ歯・部分入れ歯)
床が金属の入れ歯です。金属は耐久性に優れているため、保険適用の入れ歯の約3分の1の薄さで作ることができます。また、きちんとメンテナンスすることで長期間の使用に耐えられる場合が多いです。
当院ではコバルトクロムとチタンの2種類を扱っており、コバルトクロムは金属床の中では一番安価ですが、金属アレルギーの方は使えません。チタンは金属アレルギーの心配が少ない素材です。
- ノンクラスプデンチャー(部分入れ歯のみ)
床が歯科用の特殊ナイロンでできた入れ歯です。入れ歯を固定するためのクラスプがないため目立ちにくく、固定する装置が歯肉に近い色で作られているため、見た目が自然です。また金属を一切使っていないので、金属アレルギーの心配もありません。
デメリットとしては、入れ歯を固定する天然歯に負担がかかることがあること、強度がそこまで高くないのでごく稀に割れたり壊れたりする可能性があることが挙げられます。
- コーヌスデンチャー(部分入れ歯のみ)
土台とする歯に内冠と呼ばれる装置を被せ、上から外冠という義歯本体と一体化した装置を装着するスタイルの入れ歯です。ブリッジのようにある程度噛め、違和感も少ない一方、取り外し可能なのでお手入れもしやすいというメリットがあります。
デメリットとしては、土台となる歯を削る必要があることや、しみる可能性があることが挙げられます。
自由診療の入れ歯の費用
当院での自由診療の入れ歯は以下のような費用設定となっています。
金属床デンチャー (総入れ歯) | コバルト床 ¥385,000 (税込) チタン床 ¥440,000 (税込) |
金属床デンチャー (部分入れ歯) | コバルト床 ¥275,000 (税込) チタン床 ¥330,000 (税込) |
ノンクラスプデンチャー | 少数歯¥220,000 (税込) 多数歯¥440,000 (税込) |
コーヌスデンチャー | 支台歯1本 ¥132,000 (税込) 義歯 ¥550,000 (税込) |
見た目の自然な自由診療のブリッジもある
ブリッジにも保険適用のものと自由診療のものがあります。「人から義歯を入れていることを知られたくない」「自然な見た目にしたい」とお思いの方は、自由診療のブリッジを選ばれる傾向があります。
次で保険適用と自由診療のブリッジ、それぞれのメリット・デメリットについて説明します。
保険適用のブリッジのメリット・デメリット
保険適用のブリッジのメリットは「安価なこと」です。反対にデメリットは、「審美性に劣ること」が挙げられます。
保険適用のブリッジでは、前歯と奥歯で使える素材が異なります。前歯には見た目の違和感が少ない白い素材(硬質レジン)でできた義歯を入れることが認められていますが、奥歯には全体が金属でできた義歯、いわゆる銀歯を入れなければいけません。
また硬質レジンも自由診療の素材に比べると見た目の違和感がどうしてもあり、変色しやすく、使い続ける内に天然歯との色の違いが目立ってくる可能性が高いのです。
自由診療のブリッジのメリット・デメリット
自由診療のブリッジにはいくつかの種類があり、当院で取り扱っているのは、
- ゴールドブリッジ
- メタルボンドブリッジ
- オールセラミックブリッジ
の3種類です。それぞれについて、以下で説明します。
- ゴールドブリッジ
ゴールドブリッジとは白金加金を使って作った金属の被せものになります。審美性には欠きますが、柔らかいため歯に過分に働く力を逃せる点がメリットです。
- メタルボンドブリッジ
メタルボンドブリッジは材質にセラミックを使用しているため、色調も豊富で、見た目も自然です。 中心に金属を使用しているため、奥歯などの強度が求められる部分には最適です。
- オールセラミックブリッジ
オールセラミックブリッジは、ジルコニア(人工ダイヤモンド)のコア部分にセラミックを焼き付けて治療します。天然歯以上の美しさを取り戻すことができると言われています。ただし、2歯以上の欠損では対応できない場合があります。
自由診療のブリッジの費用
当院での自由診療の入れ歯は以下のような費用設定となっています。
ゴールドブリッジ | 1歯あたり¥88,000(税込) ※型取り代金を含む |
メタルボンドブリッジ | 1歯あたり¥110,000(税込) ※型取り代金を含む |
オールセラミックブリッジ | 1歯あたり¥143,000(税込) ※型取り代金を含む |
審美性を求めるなら、インプラント治療もおすすめ
歯が抜けた場合の治療には入れ歯とブリッジのほか、インプラント治療も最近では多く選択されるようになってきました。
インプラント治療とは、歯が抜けた部分のあごの骨に人工の歯の根を埋め、それを土台に歯をつくる治療のこと。入れ歯やブリッジに比べ、治療費は高額となりますが、使い心地や見た目が非常に良いとされています。
失った歯をなるべく元の自然な感じで回復したい方におすすめの治療法です。
ご興味のある方は、以下で紹介していますので、ご参考下さい。
歯の治療に入れ歯かブリッジを検討するならヨクシオファミリー歯科住道
今回の記事では歯の失った時に歯を補う治療法として、入れ歯とブリッジをご紹介しました。
歯を失ったままにしておくと、残った歯の歯並びが崩れたり、噛み合わせが悪くなって顔の形に変化がでたりするほか、しっかり噛めないことで認知症のリスクが上がるとも言われています。
たった一本の欠損でも放置しないことが大切です。歯が抜けてしまったり欠けてしまったりした時には、お気軽に当院までお問い合わせください。