2023.04.03
歯科医院について
みなさまこんにちは。桜も咲き日に日に暖かくなる毎日ですがいかがお過ごしでしょうか?お花見はされましたか?さて、本日は歯科医院について少しお話させていただきます。ところで、日本国内に現在歯の治療を行っている医療施設は何軒存在しているかご存じですか?
厚生労働省が2022年12月末に発表した施設動態調査によると、全国に歯科診療所は6万7614施設あるということです。そのうち、私達が住む大阪府では約5440軒前後。これらの数字から見て感じることは歯科医院はとても多く、一般的によく比較されるコンビニの店舗数を上回っている軒数なのです。
どうして日本にはこんなにたくさん歯科医院が点在しているのか、少し気になったので調べてみました。
すると調べた結果、歯科医師が急激に増えた理由は昭和40年代にまでさかのぼり、日本における社会情が大きく関係していると言うことが判明しました。
昭和40年代といえば第2次ベビーブーム。高度経済成長によって日本国民の生活習慣は大きく変化し、それに伴い食生活も多く変化していったと言われています。このような影響で多くの人が虫歯になり、当時は現在のように歯を治療してくれる医療機関やドクターも多くなかった為、深刻的な歯科医不足に陥ったようです。
そこで状況を変える為に当時の国が歯科医の育成に力を入れるように舵をとり、これらの対策によって数多くの歯科医が誕生したのがきっかけとなっているようです。
歯科医院を選ぶときは?
それではここで皆さまに質問です。たくさん点在している歯科医院からみなさんはどのような基準で選んでいらっしゃるのでしょうか?歯科医院選ぶ基準についてネットで検索してみると様々なポイントが検索結果で出てきました。
まず、ロケーション(駅・自宅・職場から近いところにある)、診療時間(土日診療・夜間診療している)、診察料金、施設の清潔度(建物が綺麗、内装が綺麗等)などがポイントしてあげられていました。
また、その他の選ぶポイントして歯科医や衛生士を含むスタッフの評価を基準に選ばれる方も多いようです。
選択肢が多くて選びきれない・・・。
都市部や人口密集エリアで歯科医院たくさんある場合、いろいろと検索してみたが歯科医院が多すぎて選べない際はどうすればいいのでしょう?
上記のような検索ポイントで候補の医院や診療所が何医院か出てきた場合に参考になる方法をご紹介いたしましょう。気になる歯科医院のホームページをチェックして「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」の認定を受けていないか確認してみましょう。
かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所とは?
「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」(略して『か強診』)とは2016年4月の保険改定で、保険の枠組みを一部拡大し、虫歯や歯周病などのいろいろな歯科疾患の重症化を予防し、歯の喪失を防ぐために定期的なメンテナンスを行える歯科医院を厚生労働省が評価する新しい制度のこと。
つまり、小さなこどもから高齢者にいたるまで、生涯にわたって歯を失うリスクの高い虫歯や歯周病の重症化予防を目的とした歯科の治療を積極的に行い、歯科のみならず医療・介護に係る幅広い知識と見識を備え、地域住民の生涯に亘る口腔機能の維持・向上をめざし、地域医療の一翼を担う歯科医院だけが認定される制度です。
か強診に認定されるには?
この制度に認定されるのには多くの認定基準が制定されおり、認定基準をクリアしていないと国から認定を受けることができません。認定基準は細かく設定されています。
か強診(かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所)の認定基準
(1) | 人員配置 | 歯科医師が複数名配置されていること又は歯科医師及び歯科衛生士がそれぞれ1名以上配置されていること。 |
(2) | 算定実績 | 次のいずれにも該当すること。 <ア>過去1年間に歯周病安定期治療又は歯周病重症化予防治療をあわせて30回以上算定していること。 <イ>過去1年間にフッ化物歯面塗布処置又は歯科疾患管理料のエナメル質初期う蝕管理加算をあわせて 10 回以上算定していること。 <ウ>クラウン・ブリッジ維持管理料を算定する旨を届け出ていること。 <エ>歯科点数表の初診料の注1に規定する施設基準を届け出ていること。 |
(3) | 歯科訪問診療の実績 | 過去1年間に歯科訪問診療1若しくは歯科訪問診療2の算定回数又は連携する在宅療養支援歯科診療所1若しくは在宅療養支援歯科診療所2に依頼した歯科訪問診療の回数があわせて5回以上であること。 |
(4) | 他の保険医療機関との連携実績 | 過去1年間に診療情報提供料又は診療情報連携共有料をあわせて5回以上算定している実績があること。 |
(5) | 常勤の歯科医師が修了すべき研修 | 当該医療機関に、歯科疾患の重症化予防に資する継続管理に関する研修(口腔機能の管理を含むものであること。)、高齢者の心身の特性及び緊急時対応等の適切な研修を修了した歯科医師が1名以上在籍していること。なお、既に受講した研修が要件の一部を満たしている場合には、不足する要件を補足する研修を受講することでも差し支えない。 |
(6) | 後方医療機関との連携体制 | 診療における偶発症等緊急時に円滑な対応ができるよう、別の保険医療機関との事前の連携体制が確保されていること。ただし、医科歯科併設の診療所にあっては、当該保険医療機関の医科診療科との連携体制が確保されている場合は、この限りではない。 |
(7) | 文書提供 | 当該診療所において歯科訪問診療を行う患者に対し、迅速に歯科訪問診療が可能な歯科医師をあらかじめ指定するとともに、当該担当医名、診療可能日、緊急時の注意事項等について、事前に患者又は家族に対して説明の上、文書により提供していること。 |
(8) | 地域における保険医療機関、介護・福祉施設等との連携実績 | ※(5)に掲げる歯科医師が、以下の項目のうち、3つ以上に該当すること。 <ア>過去1年間に、居宅療養管理指導を提供した実績があること。 <イ>地域ケア会議に年1回以上出席していること。 <ウ>介護認定審査会の委員の経験を有すること。 <エ>在宅医療に関するサービス担当者会議や病院・介護保険施設等で実施される多職種連携に係る会議等に年1回以上出席していること。 <オ>過去1年間に、栄養サポートチーム等連携加算1又は栄養サポートチーム連携加算2を算定した実績があること。 <カ>在宅医療又は介護に関する研修を受講していること。 <キ>過去1年間に、退院時共同指導料1、退院前在宅療養指導管理料、在宅患者連携指導料又は在宅患者緊急時等カンファレンス料を算定した実績があること。 <ク>認知症対応力向上研修等、認知症に関する研修を受講していること。 <ケ>過去1年間に福祉型障害児入所施設、医療型障害児入所施設、介護老人福祉施設又は介護老人保健施設における定期的な歯科健診に協力していること。 <コ>自治体が実施する事業(ケに該当するものを除く。)に協力 していること。 <サ>過去1年間に、歯科診療特別対応加算又は初診時歯科診療導入加算を算定した実績があること。 |
(9) | 装置・器具の設置 | 歯科用吸引装置等により、歯科ユニット毎に歯の切削や義歯の調整、歯冠補綴物の調整時等に飛散する細かな物質を吸引できる環境を確保していること。 |
(10) | 患者にとって安心で安全な歯科医療環境の提供を行うにつき次の十分な装置・器具等を有していること。 <ア> 自動体外式除細動器(AED) <イ> 経皮的酸素飽和度測定器(パルスオキシメーター) <ウ> 酸素供給装置 <エ> 血圧計 <オ> 救急蘇生セット <カ> 歯科用吸引装置 なお、自動体外式除細動器(AED)については保有していることがわかる院内掲示を行っていることが望ましい。 |
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000922373.pdf(参照 2023-04-03)
「Microsoft Word – 01 施設基準通知 通則(特掲診療料)」第 13 の2 かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/chugokushikoku/shinsei/shido_kansa/shitei_kijun/000124074.pdf(参照 2023-04-03)
か強診のメリット
全ての基準をクリアし認定を受けた歯科医院では保険適応外の治療が保険適用内で受診することができます。
例えば、予防を目的とした専門的なクリーニング(PMTC)やフッ素塗布が認定医院では保険内で毎月受けることができます。また、予防歯科、歯周病の管理、在宅・訪問ケア等も保険適応となります。
たくさんある医院の中から選ばれる際の条件に「か強診」も入れてお探しになるのもおすすめします。