2024.05.31
フルジルコニアの特徴とは?メリット・デメリットを解説
詰め物や被せ物の選択肢として、「フルジルコニア」を考えていますか? フルジルコニアは人工的に合成されたジルコニウムから作られ、その強度と耐久性から歯科治療で広く使用されています。本記事では、フルジルコニアの特徴やメリット、デメリット、どのような人に向いているのか解説していきます。さらに寿命や価格、よくある質問にも触れています。これからフルジルコニアでの治療を考えている方にとって参考になる内容です。
フルジルコニアとは?
虫歯が進行して大きく削ったあと、修復のためにクラウン(被せ物)が必要になります。その際の選択肢の1つが「フルジルコニア」です。これは耐久性の高いセラミック材料の一種で、人工的に合成されたジルコニウムから作られています。その強度と耐久性から、インレー(詰め物)やクラウン(被せ物)、ブリッジなどの歯科治療で使用されています。
フルジルコニアクラウンとは?
フルジルコニアクラウンは、フルジルコニアの被せ物のことです。2005年に厚生労働省の認可を受けたのですが、従来のセラミックスと比較して、より高い強度や耐久性を持つことが強みです。
フルジルコニアのメリット
フルジルコニアのメリットは以下のとおりです。
- 強度や耐久性がある
- 色の変化が少ない
- 金属アレルギーでも使用可
- 虫歯の再発リスクを下げる
強度や耐久性がある
フルジルコニアは非常に高い強度を持ち、他の歯科材料よりも優れた耐久性があります。そのため、欠けたり割れたりするリスクが少ないといえます。
色の変化が少ない
レジンや金属の詰め物と比較して、経年劣化による変色が少なく、錆びにくいため長く使えます。
金属アレルギーでも使用可
フルジルコニアはセラミックスの一種なので、金属アレルギーを引き起こす成分を含んでいません。体にも馴染みやすいことからも、金属アレルギーの心配がある患者様に対して、フルジルコニアをおすすめしています。
虫歯の再発リスクを下げる
フルジルコニアは非常になめらかな表面をしているので、食べ物の残りカスや細菌が付着しにくい性質があります。さらに酸や唾液などの影響を受けにくい特性があり、虫歯の再発リスクを下げるといえます。ただし、歯科医院での定期的なメンテナンスもお忘れなく。
フルジルコニアのデメリット
フルジルコニアのデメリットは以下のとおりです。
- 色の選択が制限される
- 自費診療である
色の選択が制限される
フルジルコニアは主に単色(主に白色)の材料であり、色の選択肢が限られています。そのため、自然な見た目を再現するのが難しいかもしれません。
自費診療である
フルジルコニアの治療は自費診療なので、費用は高くなります。ただし、虫歯治療などで詰め物や被せ物をした場合は医療費控除の対象ですので、歯科医院で確認してください。
フルジルコニアの寿命はどのくらい?
フルジルコニアの寿命は、約10年から15年程度とされています。歯科治療で一般的に使用される材料との耐用年数の違いを以下の表にまとめました。
材料 | 耐用年数 |
レジン(保険診療の詰め物) | 約2年〜3年 |
銀歯 | 約3年〜5年 |
オールセラミック | 約7年〜10年 |
フルジルコニア | 約10年〜15年 |
メタルボンド | 約8年〜10年 |
ジルコニアとセラミックの違いとは?メリットやデメリットとよくある疑問も紹介
フルジルコニアはどのような人におすすめ?
フルジルコニアは強度と耐久性が特徴のため、奥歯の治療に適しています。さらに、虫歯による詰め物や被せ物の治療だけでなく、過去に治療した銀歯を白くしたい方にもおすすめです。また、歯ぎしりや食いしばりを理由にセラミックを避けていた方にも、耐久性があるので検討されてはいかがでしょうか。
フルジルコニアで前歯を治せる?
前歯にフルジルコニアを使用することは可能ですが、表面にセラミックを焼き付けていないため、色が単調で真っ白になります。そのため、見た目の美しさが重視される前歯にはあまり適さないことがあるでしょう。
一般的に前歯の治療では、自然な見た目や透明感のある歯を求めることが多く、セラミックなどの素材を好む傾向があります。とはいえ、最終的な治療方法は患者様の状況や希望、歯科医の意見によって異なるため、よく相談して決定してください。
フルジルコニアの値段はいくら?
フルジルコニアの価格相場は、1本あたり¥50,000〜¥150,000程度です。価格は地域によって異なり、製品の品質や製造技術によっても変動します。
フルジルコニアに関連したよくある質問
フルジルコニアに関連した、よくある質問を3つ紹介します。
フルジルコニアの医療費控除はありますか?
はい、医療費控除を受けるには、治療目的であることが必須条件です。虫歯治療で詰め物や被せ物としてフルジルコニアを使用した場合は、医療費控除の対象になります。
フルジルコニアとセラミックの違いは何ですか?
フルジルコニアは主に耐久性と強度を求めるときに使用され、セラミックは審美性を重視するときに使用されることが一般的です。
フルジルコニアとフルジルコニアセラミックの違いは何ですか?
フルジルコニアは強度に優れるけれど透明感に欠けるため、主に奥歯など見えにくい歯で強度を求める際に使用されます。一方、フルジルコニアセラミックは、強度と美しさの両方を追求できるので、機能性と審美性の両面を考慮した治療に向いています。
以下、フルジルコニア、フルジルコニアセラミック、セラミックの違いをまとめた表です。混同されやすい言葉ですので、比べてみてください。
フルジルコニア | フルジルコニアセラミック | セラミック | |
材料の成分 | ジルコニア酸化物の粉末から作られたセラミック | フルジルコニアと他のセラミック材料の組み合わせ | 酸化アルミニウムなどの非金属の材料 |
強度と耐久性 | 非常に強靭で耐久性が高い | 強度は高く、耐久性もある | 一般的にフルジルコニアよりも弱い |
透明性と審美性 | 透明性が低く、審美性に欠ける | 審美性が高く、自然な見た目 | 自然な見た目 |
使用場面 | 主に奥歯など耐久性を求める | 強度と美しさの両方を求めたい | 主に前歯など審美性を求める |
まとめ
フルジルコニアは強度や耐久性に優れているだけでなく、金属アレルギーの心配がなく、虫歯の再発リスクが低いため、奥歯など目立たない歯の治療に向いています。また、以前に保険治療で入れた銀歯を白くしたい、といったご要望も増えているので検討されてみてはいかがでしょうか。前歯など目立つところであれば、色の選択について十分に納得がいくかどうか、事前に歯科医とよく相談してから決めるようにしましょう。
ヨクシオファミリー歯科住道で、虫歯や歯の欠けなどを耐久性を備えたフルジルコニアで治療したい方は、ぜひお問い合わせください。以前に治療した銀歯を白くしたい、といったご相談もお待ちしております。