2024.09.19
矯正治療のゴムかけは必要?ゴムかけを行うメリットをご紹介!
「ゴムかけ」とは何?行う理由やメリットを紹介します
矯正治療について調べていく中で「ゴムかけ」という方法を目にしたことがある方も多いかと思います。
ゴムかけは、矯正装置に専用のゴム「エラスティック」をかけて、歯を引っ張るという処置です。
ゴムかけを行うことで、より美しい歯並びを追求したり、噛み合わせの改善効果を高めたりすることが可能です。
歯並びや噛み合わせの改善をサポートします
矯正装置と併せてゴムの力をかけることで、効果的に歯を移動させることができます。
ゴムの縮む力によって、少しずつ歯を正しい位置へ促してくれます。
不正咬合の種類に合わせてさまざまなゴムのかけ方がありますので、気になっている歯並びを改善するためにも、ゴムかけはしっかり取り組むようにしましょう。
効率的な矯正治療を行うために、ゴムかけは欠かせません
効果的に歯を動かしていくということは、ズムーズに治療を進めていけるということです。
ゴムかけを怠ってしまうと、歯が予定通りに動かなくなってしまったり、想定通りの歯並びを実現できなくなってしまったりと、さまざまな問題が起こります。
より美しく、効率的に治療を進めるためにも、ゴムかけはきちんと行いましょう。
ゴムかけは複数の種類があります
ゴムのかけ方は、不正咬合の種類によってさまざまです。
ゴムにはあらゆるサイズ、強さがあり、患者様一人ひとりの歯並びや噛み合わせに合ったものを使用して治療を行う必要があります。
ゴムかけは患者様自身で行っていただく必要があるため、事前にきちんとかけ方をお伝えした上で、その方法がどのような効果をもたらすのかも説明する必要があります。
上顎前突の治療で行う「Ⅱ級ゴム」
Ⅱ級ゴムとは、ワイヤー矯正で用いられるゴムのかけ方です。
主に、上顎前突などの矯正治療で用いられます。
上顎の歯を後ろへ引きながら、下顎の歯は前へ押し出すように力を入れていきます。
ゴムは上の前歯と下の奥歯にかけていきます。
下顎前突の治療で行う「Ⅲ級ゴム」
Ⅲ級ゴムは、ワイヤー矯正で用いられるかけ方の一つで、主に反対咬合(受け口)の矯正で行います。
上の奥歯と下の犬歯を繋ぐようにゴムをかけ、上顎の歯を前へ、下顎の歯を後ろへ引っ張ることで受け口の状態を改善していきます。
開咬の治療で行う「垂直ゴム」
垂直ゴムは、前歯を噛み合わせた際にお口が閉じない「開咬」と言われる不正咬合を改善する際に用いられます。
上下の歯に対して垂直になるようにゴムをかけることから、この名前がつきました。
開口の治療では、前歯が閉じるように歯並びを整えていく必要があるため、噛み合わせを深くする方向へ力をかけて引っ張ります。
全体的な噛み合わせの仕上げに行う「三角ゴム」
三角ゴムは、矯正治療の仕上げ段階で行うゴムかけの一つです。
三角形や台形になるように、ゴムを上下のワイヤーに引っかけます。
歯を複数の方向から引っ張ることで、正しい位置に安定させることができます。
歯並びや噛み合わせに合わせて、いろいろなかけ方があります
上記で挙げた以外にも、ゴムかけはさまざまな方法があります。
いずれも患者様の歯並びをきちんと確認し、矯正治療のスケジュールを決めた上で、必要なタイミングで歯科医師からゴムかけの指示があります。
初めはどのようにかけたらいいかわからないこともあると思いますので、気になることや疑問は歯科医院で相談して、きちんとゴムかけを取り入れていくようにしましょう。
ゴムかけを行うことで得られる効果・メリット3選
患者様ご自身に行っていただくゴムかけは、どうしても面倒に感じてしまうことがあるでしょう。
しかしゴムかけには、さまざまな効果やメリットがありますので、ぜひ忘れないようにきちんと取り組んでいただきたいと思います。
治療期間を短縮して、患者様の負担を軽減します
ゴムかけは矯正治療を行う中でとても重要な取り組みの一つです。
ゴムのかけ方や強さをしっかり計算した上で治療計画を立てていくため、ゴムかけを怠ってしまうと治療期間が長引いてしまう可能性があります。
一方で、きちんとゴムかけを行っていただくことで、効率的に矯正治療を進めることができるでしょう。
治療期間の短縮は、患者様の負担軽減につながります。
「少しでも治療期間を短くしたい!」という場合は、きちんとゴムかけに取り組んでいきましょう。
顎の位置を調整することでフェイスラインも整います
ゴムかけは、上下の顎の骨の成長や再構築にも効果があるとされています。
ゴムを正しく配置して効果的に力を加えていくことによって、上下の顎のバランスを整えることが可能です。
顎のバランスが改善されると、噛み合わせの安定はもちろん、フェイスラインの見た目にも変化が現れるでしょう。
特に開咬や受け口で悩んでいる方にとっては、大きなメリットをもたらします。
上下の噛み合わせもしっかり改善できます
ゴムかけには、歯並びの微調整や全体的な噛み合わせの向上にも効果があります。
ゴムを正しくかけることで、上下の歯が正しい位置で噛み合うようにお口全体のバランスが調整されます。
上下の噛み合わせが安定すると、歯への負担はもちろん、顎の負担軽減にもつながるため、
顎関節症などのリスクを減らすことができます。
一本一本の歯並びだけではなく、お口全体の噛み合わせにもアプローチできるという点は、ゴムかけ治療の大きなメリットと言えるでしょう。
ゴムかけはワイヤー矯正orマウスピース矯正?
ゴムかけは、ワイヤー矯正で取り入れられるイメージが強いかと思いますが、現在はマウスピース矯正でも必要に応じて行われています。
いずれの治療においても、目立たないゴムを使用して患者様の負担を軽減しながら取り組んでいただけますのでご安心ください。
目立たない専用ゴムを用いた、負担の少ないワイヤー矯正のゴムかけ
ゴムかけに使用するエラスティックは、医療専用のゴムです。
さまざまな種類がありますが、なるべく目立たない色のゴムを使用したい場合には透明のものを使用して治療を行うことができます。
透明のゴムはラテックスフリーという特徴もあり、ラテックスアレルギーの方にも安心してゴムかけに取り組んでいただけます。
マウスピース矯正もゴムかけで時間短縮、負担を軽減
ゴムかけというとワイヤー矯正をイメージされる方も多いと思いますが、実はマウスピース矯正においても重要な工程です。
マウスピース矯正でゴムかけを行う際は、歯やマウスピースに突起のような装置(アタッチメント)をつけ、その部分にボタンをつけてゴムをかけていきます。
ワイヤー矯正がそうであるように、マウスピース矯正でも時間の短縮、負担軽減というメリットがあります。
もちろん目立たない色味のゴムを使用することもできるので、なるべく目立たないように矯正治療を進めたい方にも安心です。
ゴムかけに取り組む際の注意点
歯に過度な負担をかけずにゴムかけを行うためには、正しい方法で取り組んでいただくことが大切です。
事前にきちんと注意点をご理解いただき、安全に治療を進めていくようにしましょう。
痛みが出た時は、無理に続けてはいけません
ゴムをかけ始めた当初は、一時的な痛みや不快感が生じることがあります。
少しの痛みや違和感であれば次第に治ってきますが、激しい痛みなど不安な症状がある場合は、一度ゴムかけを中断して歯科医師に相談するようにしましょう。
お口の状態に合わせた方法でゴムをかけましょう
ゴムのかけ方はさまざまありますが、正しいゴムの取り付け方法を守ることは、治療をスムーズに進める上でとても重要です。
誤った位置に取り付けたり、かけ方を間違えていたりすると、十分な効果が得られないだけでなく、歯に不要な負担をかけてしまう可能性があります。
ゴムかけの時間を守りましょう
ゴムかけでは、正しくかけることと同じくらい「かけている時間」が重要です。
マウスピース矯正の場合は、マウスピースの装置同様に1日20時間以上はつけておくようにしましょう。
清潔で新しいゴムを使用しましょう
ゴムは、基本的に毎日新しいものに取り替えていただく必要があります。
衛生的な問題はもちろん、ゴムの力が弱まってしまってはゴムかけをしている意味がなくなってしまいます。
きちんと効果を得るためにも、毎日新しいゴムをかけ直すようにしましょう。
治療前に知っておきたい、ゴムかけを行う場合の治療費について
ワイヤー矯正にせよマウスピース矯正にせよ、お口の状態によっては歯科医師からゴムかけを提案されることがあります。
そんな時「ゴムかけをするには、別途費用がかかるのではないか」とご不安に感じられることもあるかもしれません。
一般的に、ゴムかけは矯正治療のプラン内に含まれていることがほとんどです。
ゴムかけを行うからといって、高額な追加料金が発生することはほぼありません。
しかし、歯科医院によって別途オプションとして費用がかかるケースや、追加のゴム購入で費用が発生するパターンもありますので、費用面は事前に歯科医院で聞いておくようにしましょう。
まとめ
ゴムかけは、矯正治療において欠かせない工程の一つです。
ゴムの引っ張る力を用いて歯並びを理想的な状態に整えていくことはもちろん、お口全体の噛み合わせの改善、矯正治療の期間短縮にも貢献してくれます。
ゴムかけは、患者様ご自身で行っていただく必要があるため、事前にお口に合わせたゴムのかけ方をしっかり聞いておくようにしましょう。
正しい時間、正しい方法で取り組むことで患者様の治療にかかる負担を大きく軽減できます。
患者様によっては「装置を目立たせたくない!」という方もいらっしゃいます。
ゴムかけを行う際も、なるべく色味が目立たない透明のものを使用できますので、お気軽に歯科医師に相談してみてくださいね。