2024.07.08
歯茎にできた口内炎が痛い!種類ごとの原因と治療について解説
歯茎にできた口内炎でお悩みですか?または、口内炎のように見える症状が、他の病気のサインかもしれないと心配している方もいるのではないでしょうか。本記事では、口内炎の種類や原因、治療について詳しく解説します。また、口内炎と間違えやすい病気についても紹介していきますので、参考にしてください。
歯茎にできる口内炎の種類とは?
歯茎にできる口内炎には、主に以下の4種類があります。それぞれの特徴、原因をわかりやすく説明します。
アフタ性口内炎
一般的な口内炎で、口の中の粘膜に直径3〜5ミリの白っぽい潰瘍(アフタ)ができる状態です。この潰瘍は周りの粘膜とはっきり区別でき、刺激を受けると痛みます。悪化すると出血することもあります。
通常、1〜2週間で自然に治るため、痛みがそれほどひどくなければ特に治療しなくても問題ありません。何度も繰り返し発生するものは「再発性アフタ性口内炎」と呼ばれます。
よくある原因は以下です。
- 免疫力の低下
- 栄養不足
- ストレス
- 寝不足
- 口内傷からの細菌・ウイルス感染
- 生理前や妊娠期
- ベーチェット病や潰瘍性大腸炎などの全身疾患
カタル性口内炎
口の中の粘膜が赤く炎症を起こし、ザラザラしたり白くなったりする口内炎です。アフタ性口内炎とは違って炎症の境界がはっきりしません。
口の中が焼けるように感じたり、口臭がしたり、酸っぱいものや辛いものを食べるとしみて痛みを感じます。
よくある原因は以下です。
- 免疫力の低下
- 疲労
- 風邪などの体調不良
- 入れ歯や矯正器具など物理的な刺激や傷
- 虫歯、歯周病、歯槽膿漏などの口内疾患
- 過度な喫煙
- ビタミン不足
- 胃腸の調子が悪い
カンジダ性口内炎
もともと口の中にいる常在菌、カンジダというカビの一種が口の中で増殖して起こる口内炎です。頬の内側や唇の裏側などに、白い薄皮(偽膜)ができ、簡単に剥がれます。剥がすとその下の粘膜が赤くなっていて、周りの粘膜も赤く腫れていることがあります。放置すると口全体に広がることも。
症状は口の中の違和感や舌のしびれ、味覚の異常を感じ、大人だけでなく乳幼児にも発症します。
よくある原因は以下です。
- 常在菌であるカンジダ菌(カビ)の過剰増殖
- 糖尿病、血液の病気、がんなど他の疾患を患っている
- 乳幼児、高齢者、妊婦など体力や抵抗力が弱い
- ステロイド剤や抗生物質の長期間服用
ヘルペス性口内炎
単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染によって起こるウイルス性口内炎の一種です。乳幼児に多く見られ、口の粘膜に水ぶくれができたり、歯ぐきが炎症を起こしたり、発熱することがあります。水ぶくれが破れると潰瘍になり、激しい痛みを伴い、食事や水分を取れず脱水症状になることも。
一度感染するとウイルスが体内に残るため、大人になっても抵抗力が低下した場合などに再び発症しやすくなります。
よくある原因は以下です。
- 免疫力の低下
- 口内の傷や炎症による物理的な刺激
- 過度な紫外線
- 月経周期や妊娠によるホルモンの変動
- がん治療やエイズなどで免疫力が著しく低下
- ヘルペスウイルスは人から人、モノから人へと感染
その他の口内炎
- 喫煙者によく見られる「ニコチン性口内炎」
- 特定の食べ物や薬、金属などへのアレルギー反応で起こる「アレルギー性口内炎」
- 全身に炎症を起こす病気、口内炎もその症状の一つである「ベーチェット病」
歯茎にできる口内炎に似た間違えやすい病気
以下の病気は自然治癒しませんので、気になる症状があれば、できるだけ早く診察を受けてください。
歯肉がん
歯肉がんは、歯茎にできる悪性腫瘍(がん)です。歯茎の細胞が異常に増殖してできるもので、他の組織や臓器に広がることがあります。
初期は歯茎の腫れ程度ですが、進行すると表面がカリフラワーのような凸凹した形状になり、出血や痛みを伴うことがあります。
舌がん
舌の側面や舌の裏側、舌の先端などにがんが発生します。口腔がんの半数以上を占めるがんです。患部の色がアフタ性口内炎と似ています。
初期段階では、舌に小さな白い斑点や潰瘍ができることがありますが、痛みがないため見過ごされやすいので注意してください。
進行すると、痛みや出血、舌の動きの制限などの症状が現れます。舌がんは早期に見つかれば治療が可能ですが、進行すると治療が難しくなります。
白板症(はくばんしょう)
口の中の粘膜が何度も摩擦を受けると、白色の板状(斑状)に変化する病気ですが、痛みはありません。
見た目はカンジダ性口内炎に似ていますが、特に舌の縁にあらわれた場合は舌がんに移行するリスクが高いといわれています。がんになる前段階と考えられているので注意してください。
口内炎で歯茎が白くなる原因は何ですか?
痛くないけれど治らない白いできものがあったら、「フィステル」の可能性があります。別名は瘻孔(ろうこう)や内歯瘻(ないしろう)、サイナストラクトとも呼ばれています。
歯の根管には神経や血管が通っており、この部分が感染すると痛みや膿が発生します。体は溜まった膿を排出しようと、歯茎や口の内側に向かって“膿の排出口”(フィステル)を作ります。
フィステル自体は痛くないことが多いですが、膿が溜まっている部分は痛みや腫れを伴うこともあります。また、
自然治癒しないので、放置すると感染が広がって抜歯する可能性も出てくるので、早めに治療しましょう。
フィステルについて詳しく知りたい方は、以下のコラムを参考にしてください。
歯茎の口内炎は市販薬で対処できる?
口内炎を治す市販薬には、いくつか種類があります。軽度の場合であれば市販薬でも対処が可能です。
- パッチタイプ
- 軟膏タイプ
- スプレータイプ
- 洗口液タイプ
- ドリンクタイプ
- 内服薬
口内炎を繰り返して発症しているなら内服薬が向いています。軟膏タイプやパッチタイプを使用する場合には、舌や歯が接触しにくい睡眠前に使用すると効果的です。
歯茎にできた口内炎を早く治すには?
口腔内の清潔を保つ
食後は必ず歯を磨き、口腔内を清潔に保ちます。さらに食後や寝る前にうがい薬(イソジンなど)を使ってうがいをし、口内の細菌を減少させることも大切です。
市販薬を使用
痛みをやわらげ、治癒を促進します。軟膏、パッチ、スプレーなど、自分に合ったものを選びましょう。
ビタミンの摂取
ビタミンB群を多く含む食品を摂取することで、口内炎の治りを早めることができます。サプリメントを利用するのも一つの方法です。
刺激物を避ける
酸味や辛味の強い食べ物、アルコール、タバコなどを避けることで痛みを軽減し、治癒を促進します。
生活習慣の改善
ストレスや睡眠不足は口内炎の原因になるため、リラックスできる時間をつくり、十分な睡眠を心がけましょう。また、口呼吸を避け、水分補給をしっかりしてください。
歯科医院を受診する
症状が1〜2週間で治らない時や、頻繁に口内炎ができる場合は、診察を受けることをおすすめします。短期間で治したいなら、歯医者さんでレーザー治療も検討してください。
歯茎の口内炎が治らないときは受診しましょう
ほとんどの口内炎は1〜2週間で治るので、それ以上経っても改善の見込みがなければ歯科(口腔外科)や耳鼻咽喉科、内科を受診してください。ほとんどが薬を使った治療ですが、歯科医院では処方箋を出したり、レーザー治療をしたりすることもあります。
口内炎ではないと診断されると、大学病院や専門機関を紹介されることもあります。口腔がんやその他の疾患が隠れている可能性もあるため、必ず受診するようにしてください。
ヨクシオファミリー歯科住道では、口内炎のレーザー治療も行っています。短期間で効率よく改善したい方は、気軽にご相談ください。