2025.12.19
歯茎の口内炎は放置して大丈夫?治らない原因や癌との見分け方

歯茎の腫れや白いできものが痛いと「悪い病気では?」と不安になる方は多いです。
結論からいえば、一般的な口内炎なら1〜2週間で自然に治癒しますが、問題は「治らない口内炎」です。
本記事では「歯茎の口内炎」について、その種類、原因、早く治すための治療法や予防法を徹底解説します。
さらに、「たかが口内炎」と見過ごしてはいけない、口腔がんと間違えやすい”危険なサイン”についても詳しく紹介していきます。
歯茎にできる口内炎の種類・症状・原因について
歯茎にできる口内炎には、主に以下の4種類があります。それぞれの症状、原因をわかりやすく説明します。
アフタ性口内炎
歯茎の付け根にできる口内炎で、口の中の粘膜に直径3〜5ミリの白っぽい円形または楕円形の潰瘍(くぼみ)ができます。
この白いくぼみ(潰瘍)は、まわりの歯茎とはっきり分かれているのが特徴です。歯磨きや食事などで刺激が加わると強い痛みを感じ、ひどくなると血が出ることもあります。
通常、1〜2週間で自然に治るため、痛みがそれほどひどくなければ特に治療しなくても問題ありません。
この口内炎は20代〜30代(特に女性)に多く、年齢とともに症状が軽くなったり、減少する傾向があります。
よくある原因は以下のとおりです。
- 免疫力の低下
- 栄養不足
- ストレス
- 寝不足
- 口内傷(物理的刺激)
- 生理前や妊娠期
- ベーチェット病や潰瘍性大腸炎などの全身疾患
カタル性口内炎
カタル性口内炎の最大の特徴は、物理的・化学的刺激や、細菌の感染・炎症による粘膜のびらん(ただれ)です。
粘膜全体が赤く、広範囲に炎症を起こし、表面がザラザラしたり、部分的に白っぽくなったりします。アフタ性口内炎のように輪郭がはっきりせず、炎症部分と正常な粘膜との境目が曖昧なのが特徴です。
口の中が焼けるように感じたり、口臭がしたり、酸っぱいものや辛いものを食べるとしみて、痛みを感じます。
よくある原因は以下のとおりです。
- 入れ歯や矯正器具などの物理的な刺激や傷
- 虫歯・歯周病による刺激・感染
- 免疫力の低下
- 疲労
- 風邪などの体調不良
- 過度な喫煙
- ビタミン不足
- 胃腸の調子が悪い
カンジダ性口内炎
カンジダ性口内炎は、もともと口内に存在するカビの一種(カンジダ菌)が、免疫力の低下などにより過剰に増殖することで発生します。
あらゆる年齢層に発症しますが、特に乳幼児や高齢者に多く見られる病気です。
症状として、頬の内側や唇の裏側などに白い薄い膜(偽膜)ができますが、これはティッシュなどで比較的簡単に剥がれるのが大きな特徴です。
剥がれた下は赤くただれており、周囲の粘膜も赤く腫れていることがあります。治療せずにいると、口全体に広がる恐れもあるので注意してください。
痛みを感じないケースが多いものの、口の中の違和感、舌のしびれ、味覚の異常を訴える方もいます。
よくある原因は以下のとおりです。
- 常在菌であるカンジダ菌(カビ)の過剰増殖
- 糖尿病、血液の病気、がんなど他の疾患を患っている
- 乳幼児、高齢者、妊婦など体力や抵抗力が弱い
- ステロイド剤や抗生物質の長期間服用
ヘルペス性口内炎(ウイルス性)
単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染によって起こるウイルス性口内炎の一種です。
乳幼児に多く見られ、口の粘膜に水ぶくれができたり、歯茎が炎症を起こしたり、高熱や全身のだるさを伴うことがあります。水ぶくれが破れると潰瘍になり、激しい痛みを伴い、食事や水分を取れず脱水症状になることも。
一度感染するとウイルスが三叉神経に潜伏しており、大人になっても疲れた時に「口唇ヘルペス」として再発するという特徴があります。
※乳幼児に起こる高熱を伴う初感染を「ヘルペス性歯肉口内炎」、再発して主に口唇や口角に水疱ができるものを「口唇ヘルペス」といいます。;
よくある原因は以下のとおりです。
- 免疫力の低下
- 口内の傷や炎症による物理的な刺激
- 過度な紫外線
- 月経周期や妊娠によるホルモンの変動
- がん治療やエイズなどで免疫力が著しく低下
- ヘルペスウイルスは人から人、モノから人へと感染
その他の口内炎
- 喫煙者によく見られる「ニコチン性口内炎」
- 特定の食べ物や薬、金属などへのアレルギー反応で起こる「アレルギー性口内炎」
- 全身に炎症を起こす病気、口内炎もその症状の一つである「ベーチェット病」
歯茎や口の中にできる“口内炎ではない”注意が必要な病気

以下の病気は自然治癒しませんので、気になる症状があれば、できるだけ早く診察を受けてください。
歯肉がん
歯肉がんは、歯茎にできる悪性腫瘍(がん)です。歯茎の細胞が異常に増殖してできるもので、他の組織や臓器に広がることがあります。
初期は歯茎の腫れ程度ですが、進行すると表面がカリフラワーのような凸凹した形状になり、出血や痛みを伴うことがあります。
舌がん
舌の側面や舌の裏側、舌の先端などにがんが発生します。“口腔がんの半数以上”を占めるがんです。歯茎ではありませんが、近くにあるため間違いやすい病気です。患部の色がアフタ性口内炎と似ています。
初期段階では、舌に小さな白い斑点や潰瘍ができることがありますが、痛みがないため見過ごされやすいので注意してください。
進行すると、痛みや出血、舌の動きの制限などの症状が現れます。舌がんは早期に見つかれば治療が可能ですが、進行すると治療が難しくなります。
白板症(はくばんしょう)
口の中の粘膜が何度も摩擦を受けると、白色の板状(斑状)に変化する病気ですが、痛みはありません。
見た目は「カンジダ性口内炎」に似ていますが、“剥がれない白さ”があります。特に舌の縁にあらわれた場合は舌がんに移行するリスクが高いといわれています。「前がん病変」(がんになる可能性のある病変)と考えられているので注意してください。
エプーリス(良性の腫瘍・しこり)
歯肉腫(しにくしゅ)とも呼ばれ、歯ぐきにできる良性の限られた場所にとどまる“できもの”です。
ポリープのようにキノコ状に盛り上がったり、半月状になったりします。
色は、周りの歯ぐきと同じピンク色の場合もあれば、炎症で赤みを帯びていることもあります。
できもの自体にはほとんど痛みがなく、大きくなると、歯磨きや食事の際に当たって違和感があったり、出血することもあるでしょう。
多くの場合、悪性の「がん」ではないので過剰に心配する必要はありませんが、注意は必要です。
歯茎に白いできものが?!これは口内炎ですか?

歯茎の白いできものは「フィステル」(サイナストラクト)の可能性があります。
ニキビのような白いできものは、歯の根元に膿が溜まり、その出口としてできたフィステル(瘻孔:ろうこう)と考えられます。
- 特徴: 痛みを感じないことが多く、自然治癒はしません。
- リスク: 放置すると感染が広がり、最悪の場合は抜歯に至ります。
- 対策: 早めの歯科受診が必要です。
口内炎とフィステル(サイナストラクト)の見分け方
最も大きな違いは「痛み」と「再発」です。 一般的な口内炎は触れると強い痛みがありますが、フィステルは痛みを感じないことが多く、指で押すと膿が出るのが特徴です。
また、一時的に引いても「歯の根の異常」が原因である限り何度も再発を繰り返します。
以下に、口内炎とフィステルの違いを比較表でまとめました。
| 項目 | アフタ性口内炎 (一般的な口内炎) |
フィステル (根尖病巣の出口) |
|---|---|---|
| 治癒期間 | 1〜2週間で自然治癒する | 自然治癒しない、再発を繰り返す |
| 痛み | 強い痛みがある | ほとんど痛みがなく、違和感程度 |
| 形状 | 輪郭がはっきりした 白っぽい円形の潰瘍 |
ニキビのようにぷっくり膨らんだ 白いできもの |
| 特徴 | 刺激が加わると出血しやすい | 指で押すと、膿や血液が出てくることがある |
※フィステルの原因や治療法の詳細は、以下の記事で解説しています。
歯茎にできた口内炎はどのように治す?
口内炎は通常、1〜2週間程度で自然に治癒します。もし、この期間を過ぎても症状の改善が見られない場合は、まずは歯科(口腔外科)をご受診ください。
多くの口内炎治療は薬を用いた内科的治療が中心となりますが、歯科医院では、炎症を抑えるための処方薬の他に、患部に直接作用させるレーザー治療をすることもあります。
歯科医院で歯茎の口内炎を治療する4つのメリット
多くの患者さまにとって、「口内炎=歯医者に行く」という発想はないかもしれません。
歯医者さんを受診すると以下のようなメリットがあります。
- 早期改善: 専門的な薬や歯科用レーザーで、痛みと治療期間を短縮します。
- 再発予防: 歯や義歯の当たり方など、根本的な原因を取り除きます。
- 病気の発見と対応: なかなか治らない場合、口腔がんなどの重大な病気の診断を行います。
もし口内炎ではないと診断された場合は、より詳しい検査や専門的な治療を受けるために、大学病院や専門機関への紹介を迅速に行います。
- 治癒の促進: プロによるクリーニングで口内を清潔にし、治りやすい環境へ整えます。
歯茎の口内炎は市販薬で対処できる?

口内炎を治す市販薬には、いくつか種類があります。軽度であれば市販薬でも対処が可能です。
- パッチタイプ
- 軟膏タイプ
- スプレータイプ
- 洗口液タイプ
- ドリンクタイプ
- 内服薬
口内炎を繰り返して発症しているなら内服薬が向いています。軟膏タイプやパッチタイプを使用する場合には、舌や歯が接触しにくい睡眠前に使用すると効果的です。
歯茎にできた口内炎を早く治すための対策は?
口腔内の清潔を保つ
食後は必ず歯を磨き、口腔内を清潔に保ちます。さらに、食後や寝る前に刺激の少ない「うがい薬」を使ってうがいをし、口内の細菌を減少させることも大切です。
市販薬を使用
痛みをやわらげ、治癒を促進します。軟膏、パッチ、スプレーなど、自分に合ったものを選びましょう。
ビタミンB群の摂取
ビタミンB群を多く含む食品(納豆や牛乳)を摂取することで、口内炎の治りを早めます。サプリメントを取り入れるという方法もあります。
刺激物を避ける
酸味や辛味の強い食べ物、「炭酸飲料」「柑橘類(酸味)」「硬いもの(粘膜を傷つける)」などは避けましょう。
また、アルコール、タバコなども控えることで痛みを軽減し、治癒を促進します。
生活習慣の改善
ストレスや睡眠不足は口内炎の原因になるため、リラックスできる時間をつくり、十分な睡眠を心がけましょう。
また、口呼吸を避け、水分補給をしっかりしてください。
歯科医院を受診する
症状が1〜2週間で治らない時や、頻繁に口内炎ができる場合は、診察を受けることをおすすめします。
短期間で治したいなら、歯医者さんでレーザー治療も検討してください。
歯茎の口内炎に関連するよくある質問

歯茎の口内炎はどれくらいの期間で治りますか?
一般的な口内炎であれば、通常は1〜2週間程度で自然に治癒します。
歯茎にできた口内炎が治らないのですが、どうしたらいいですか?
慢性的な刺激が続いたり、治りが悪い口内炎は、まれに口腔がんの可能性があります。長引く場合は「様子見」をせず、必ず専門家による詳しい検査が必要です。
歯茎の口内炎が同じ場所にできます。どうしたらいいですか?
入れ歯や矯正装置の調整・修理が必要かもしれないので、歯医者さんに相談してください。
物理的な刺激で繰り返し歯茎に当たっている場合、その刺激を取り除かない限り口内炎は治りません。
歯茎の口内炎が治らないときはヨクシオファミリー歯科住道にご相談ください
ほとんどの口内炎は1〜2週間で治るので、それ以上経っても改善の見込みがなければ歯科(口腔外科)を受診してください。ほとんどが薬を使った治療ですが、歯科医院では処方箋を出したり、レーザー治療をしたりすることもあります。
口内炎ではないと診断されると、大学病院や専門機関を紹介されることもあります。口腔がんやその他の疾患が隠れている可能性もあるため、必ず受診するようにしてください。







