2026.08.17
ドライマウスの症状と原因|放置リスクと対処法を解説

「最近、口の中が乾きやすくなった」「食事中に水がないとうまく飲み込めない」「朝起きると口がパサパサしている」——こういった変化を「年のせいかな」と思って放置していませんか。
これらはドライマウス(口腔乾燥症)のサインかもしれません。ドライマウスとは、唾液の分泌量が減って口腔内が慢性的に乾いた状態のことです。加齢とともに起きやすくなるのは確かですが、薬の副作用や生活習慣など、改善できる原因が関わっていることも多いです。
放置すると虫歯・歯周病・口臭・食事のしづらさなど、生活の質に関わるトラブルにつながることがあります。 この記事では、ドライマウスの原因・症状・放置リスク・自宅でできること・歯科への相談タイミングをまとめて解説します。
ドライマウスの原因

ドライマウスの原因はひとつではなく、下記のような要因が複合的に重なって起きていることも少なくありません。
加齢に伴うお口の変化
年齢を重ねると、唾液の分泌量が変化することがあります。また、歯の本数が減ったり、噛む機能が低下したりすると、食事などによる唾液分泌への刺激が少なくなることもあります。
薬の副作用
50〜70代の方が特に注意したいのが、服用している薬の影響です。降圧薬・利尿剤・抗うつ薬・抗アレルギー薬・睡眠薬など、唾液の分泌を抑える副作用を持つ薬は多くあります。複数の薬を服用している場合、その影響が重なってドライマウスが起きやすくなることがあります。
「薬を飲み始めてから口が乾くようになった気がする」という場合は、主治医や薬剤師に相談してみる価値があります。薬の影響が考えられる場合でも、自己判断で薬を中止したり変更したりせず、必ず主治医や薬剤師に相談しましょう。
更年期・ホルモンの変化
更年期には、ホルモンバランスの変化などにより、口の乾燥を感じることがあります。また、舌のピリピリ感や味覚の変化などがみられる場合もあります。
生活習慣・環境
日常の生活習慣や環境も、お口の乾燥に関係することがあります。
たとえば、水分不足や口呼吸、喫煙、ストレスなどは、お口が乾燥しやすくなる要因の一つです。また、アルコールを摂取した後なども、お口の乾燥を感じることがあります。
特に、口呼吸が習慣になっている方は、口が開いた状態が続くことでお口の中が乾燥しやすくなります。
このように、ドライマウスには一つの原因だけでなく、複数の生活習慣や環境が関係している場合があります。
全身疾患との関連
ドライマウスは、生活習慣や薬の影響だけでなく、糖尿病やシェーグレン症候群などの全身疾患が関係している場合もあります。
また、頭頸部への放射線治療によって唾液腺が影響を受け、唾液の分泌が大きく低下することもあります。
このように、ドライマウスにはさまざまな原因が考えられるため、口の乾燥が長く続く場合は、「水分不足かな」と自己判断せず、一度医療機関に相談することも大切です。
ドライマウスの症状チェック
「もしかしてドライマウスかも?」と思ったら、まずは普段のお口の状態をチェックしてみましょう。
以下の項目で、当てはまるものはありませんか?
□ 口の中がいつも乾いている感じがする
□ 口がネバネバして、しゃべりにくいことがある
□ 食事中、水がないと飲み込みにくい
□ 口臭が気になる、または周囲から指摘されたことがある
□ 朝起きると、唇や口の中がパサパサしている
□ 舌がヒリヒリ・ピリピリすることがある
□ 義歯(入れ歯)が外れやすくなった、または痛みを感じるようになった
□ 虫歯が急に増えた、または進みやすくなったと感じる
口の中が乾燥すると、話しにくくなったり、乾いた食べ物が口の中でまとまりにくく、食べにくくなったりすることがあります。
こうした症状が日常的に続いている場合は、ドライマウスが関係している可能性があります。ただし、チェック項目に当てはまるからといって、必ずしもドライマウスとは限りません。まずは普段のお口の状態を見直してみましょう。
放置するとどうなるか

「口が乾くだけだから」と放置してしまいがちですが、唾液にはお口を守るさまざまな働きがあります。
唾液には、虫歯菌や歯周病菌の活動を抑える働きや、虫歯菌が作り出す酸を中和する働きがあります。また、食べかすや細菌などを洗い流す自浄作用、口腔粘膜を保護する役割も担っています。
そのため、唾液が減ってお口の乾燥が続くと、こうした働きが十分に発揮されにくくなり、さまざまなトラブルにつながることがあります。
虫歯になりやすくなる
唾液には、虫歯菌が作り出す酸を中和したり、お口の中を洗い流したりする働きがあります。
唾液が減ると、お口の中が虫歯になりやすい環境になることがあります。特に、歯ぐきが下がることで露出した歯の根元(根面)は、虫歯になりやすいため注意が必要です。
歯周病にも注意が必要
唾液には、お口の中の細菌や汚れを洗い流す働きがあります。
お口の乾燥が続くと、口腔内の環境が変化し、歯周病にも注意が必要になります。歯周病が進行すると、歯を支える組織に影響し、歯を失う原因になることがあります。
口臭が気になりやすくなる
唾液が減ると、お口の中の汚れや細菌が残りやすくなります。
その結果、口臭の原因となる物質が発生しやすくなり、お口の乾燥とともに口臭が気になることがあります。
口の中が傷つきやすくなる
唾液には、口腔粘膜を潤して保護する働きがあります。
お口が乾燥すると、舌や頬の内側などが傷つきやすくなったり、口内炎などのトラブルが起こりやすくなったりすることがあります。また、口腔カンジダ症などがみられる場合もあります。
食事や飲み込みにも影響することがある
唾液には、食べ物を湿らせてまとめ、飲み込みやすくする働きがあります。
そのため、唾液が少なくなると、乾いた食べ物が食べにくくなったり、飲み込みにくさを感じたりすることがあります。
お家でできるセルフケア
ドライマウスは生活習慣の見直しで改善できる部分も多くあります。
こまめに水を飲む
一度にたくさん飲むのではなく、日中から少量ずつこまめに水分をとることを意識しましょう。喉が渇いていなくても、暑い日や汗をかいたときは水分補給を心がけることが大切です。
よく噛んで食べる
噛む動作は唾液腺を刺激して唾液の分泌を促します。食事をよく噛んで食べることに加え、砂糖を含まないガム(キシリトールガムなど)を噛む習慣も唾液の分泌を促す方法の一つです。
口周りの筋肉を動かす
会話・歌・音読など、口を意識的に動かすことが唾液分泌を促します。日常の会話量が減ってきた方は、意識的に口を動かす時間を増やしてみましょう。
口呼吸を鼻呼吸に変える
就寝中に口が開いていることが多い場合は、口呼吸の原因がないか確認し、必要に応じて医療機関に相談しましょう。
室内の加湿
特に冬場や乾燥した季節は、加湿を行うことで口腔の乾燥を和らげることができます。
市販の保湿ジェル・スプレーを活用する
薬局で購入できる口腔保湿ジェルや保湿スプレーは、就寝前や乾燥が気になるときに使うことで症状を和らげる効果があります。
こんなときは歯科医院にご相談ください
ドライマウスの症状があるからといって、すぐに受診が必要とは限りません。ただし、症状が長く続いている、日常生活に支障がある、自宅でのケアをしても改善しないといった場合は、一度歯科医院に相談してみましょう。
- 口の乾燥が長期間続いている
- 乾燥によって食事や会話がしづらい
- 自宅でケアしても改善しない
- 口内炎や舌の痛みなどが繰り返している
- 虫歯が増えるなど、お口の状態に変化がある
- 入れ歯が急に合わなくなった
- 口臭やお口の乾燥が気になり続けている
ドライマウスが疑われる場合、歯科医院ではお口の中の状態を確認したり、必要に応じて唾液の分泌量を測定したりするなど、状態に応じた対応を行います。
また、お口の乾燥には服用している薬など、歯科以外の要因が関係している場合もあります。その場合は、必要に応じて主治医と連携して対応することもあります。
「歯の治療に行くほどではないかもしれないけれど、ちょっと気になっている」という段階でも、気になる症状が続いている場合はお気軽にご相談ください。
お口の渇きや食べにくさを感じたらヨクシオ歯科 大東住道にご相談ください
ヨクシオ歯科 大東住道では、口の乾きや違和感など、気になる口腔内の変化についてご相談いただけます。虫歯や歯周病だけでなく、「噛む」「飲み込む」「話す」といった口腔機能にも目を向け、お口全体の状態を確認することを大切にしています。
また、管理栄養士も在籍しており、口腔機能低下症の観点からお口の状態を確認するなど、歯科医師だけでなく多職種の視点からお口の健康をサポートしています。
「最近、口が渇きやすくなった」「食べにくくなった」「飲み込みにくくなった」など、気になる変化があれば、「年齢のせいかな」とそのままにせず、一度ご相談ください。







