2026.02.26
口腔機能低下症(オーラルフレイル)とは?主な症状や対策について解説

「食事中にむせることがある」「口の中が乾きやすい」。こんな症状がある方は、口腔機能低下症かもしれません。
口腔機能低下症(オーラルフレイル)は、お口のさまざまな機能が衰えて生活に影響を及ぼしてしまう病気のことです。口腔機能低下症が悪化すると、最悪の場合、認知症になってしまうこともあります。
今回は、口腔機能低下症(オーラルフレイル)、口腔機能低下症の症状や予防法について解説します。気になる症状がある方は、ぜひご一読ください。
口腔機能低下症(オーラルフレイル)とは
口腔機能低下症とは、噛む・飲み込む・話す・唾液を出すなど、お口のさまざまな機能が徐々に衰えていく状態のことです。
初期のうちは「食べこぼしが増えた」「むせやすくなった」など、少し違和感がある程度ですが、進行すると食事や会話がしにくくなるほか、誤嚥性肺炎や栄養不足、認知症のリスクにもつながります。
口腔機能低下症は、全身の健康にも影響を及ぼす病気なので、軽視できません。
口腔機能低下症とオーラルフレイル
オーラルフレイルは口腔機能低下症とほぼ同じですが、正確には、口腔機能低下症に移行する前の状態が「オーラルフレイル」です。
「オーラル」は「口の」、「フレイル」は「虚弱」や「衰弱」という意味があります。名前の通り、オーラルフレイルは「口周りの運動機能が衰退し始めた状態」で、この時点では、病気と診断されることはありません。
この時点で、早めに対策を行えば進行を防ぐことができますが、オーラルフレイルの症状を放置すると、「要介護」状態になってしまうこともあります。
口腔機能低下症の原因
口腔機能低下症の原因は、お口の中の問題だけではありません。加齢や持病、口腔内の筋力低下や唾液分泌の減少、不適切な口腔ケア、合っていない入れ歯など、ストレスや不健康な生活習慣など、さまざまな原因が複合的に絡み合っていることが多いです。
口腔機能低下症(オーラルフレイル)の主な症状
口腔機能低下症(オーラルフレイル)の主な症状は、以下の通りです。当てはまるものがある方は、口腔機能低下症の可能性があります。
- 硬いものが食べにくい
- 水分でむせることが多い
- 口の中が乾きやすい
- 口臭がきつくなった
- 滑舌が悪くなった
- 薬を飲みにくくなった
- 食事に時間がかかる
- 食べこぼしが増えた
- 口の中に食べ物が残ることがある
- 食欲がない
口腔機能低下症が全身の健康に与える影響

口腔機能低下症(オーラルフレイル)を放置すると、口腔内にとどまらず、全身の健康に悪影響を及ぼします。主な影響は、以下の通りです。
| 影響の分類 | 具体的な影響内容 |
|---|---|
| 栄養状態・口腔内の健康への影響 | ・肉などのタンパク質摂取が難しくなり、栄養不足になる ・噛む力が低下し、食事量や内容が制限される ・口腔ケアが不十分になり、虫歯や歯周病のリスクが高まる ・口臭が発生しやすくなる |
| 誤嚥性肺炎・心血管疾患のリスク | ・嚥下機能が低下し、食べ物や唾液が気管に入りやすくなる(誤嚥性肺炎リスク増加) ・口腔内細菌が血流を介して全身に広がり、動脈硬化や心内膜炎のリスクが高まる |
| 認知機能・QOLの低下 | ・咀嚼刺激の減少により、認知機能が低下しやすくなる ・食事や会話の楽しみが減り、QOL(生活の質)が低下する ・発音が困難になり、コミュニケーションに支障が生じることがある ・自信喪失から、うつ症状や社会的孤立のリスクが高まる |
| 全身の筋力低下 | ・タンパク質不足により筋力が低下する ・歩行や階段昇降などの日常動作が困難になる |
口腔機能低下症(オーラルフレイル)の対策
口腔機能低下症は日頃から対策を行うことで、予防したり症状を改善することが可能です。
主な予防法は、以下の通りです。自宅でできるものもあるので、ぜひ日々の生活に取り入れてみてください。
バランスのよい食事
高齢になると食欲不振になったり小食になったりする傾向にありますが、筋力を維持するためにも、栄養バランスのよい食事にする必要があります。咀嚼が難しいときは、食材をやわらかくしたりとろみをつけたりして、食べやすくなる工夫をするようにしましょう。
口腔内を潤す
水分不足になると、口腔内が乾燥しやすくなります。1日に1.5~2リットルの水分を摂取することを心がけましょう。こまめに水分補給して、口腔内の潤いを維持することが重要です。口腔用の保湿ジェルで、口腔内を潤すのもおすすめです。
口腔内の乾燥防止には、唾液の分泌も欠かせません。朝起きたときや食事前におすすめしたいのが、唾液の流れをよくする「唾液腺マッサージ」です。
唾液腺マッサージには、指をほほにあててゆっくりと回す「耳の下のマッサージ」、親指で耳の下から顎の下まで数ヶ所を順番に押す「顎の下のマッサージ」、両手の親指で顎の真下を押す「顎の真下のマッサージ」などがあります。
マッサージのやり方がわからない場合、歯科医院で相談してみてください。
3回の歯磨き
1日3回の歯磨きは、口腔内の健康を維持するために必要不可欠です。食後は、必ず歯磨きをしてください。歯磨きの際に、電動歯ブラシやフッ素入り歯磨き粉を使うのもよいでしょう。
入れ歯を使用している方は、入れ歯を毎日洗うことも忘れずに。清潔な口腔内の環境を保つことが、口腔機能低下症(オーラルフレイル)の予防につながります。
健康的な生活習慣
日頃の生活習慣も、口腔内の環境に影響を及ぼします。一つ目は、喫煙です。喫煙は、口腔内環境を悪化させる原因の一つです。口腔機能低下症の予防を機に、禁煙することをおすすめします。
二つ目は、ストレスです。過度のストレスは唾液分泌に影響を与える可能性があります。ストレスを感じるときは、自分ならではのリラックス法やストレス解消法で、ストレスを溜めないようにしましょう。
三つ目は、声を出すことです。発声により口や舌を動かすことで、口腔機能の維持を助ける効果が期待できます。
友人と会ったりボランティアに参加したりして他者とコミュニケーションするのもよいでしょう。人との交流が難しい場合、本の朗読やカラオケもおすすめです。
口腔機能トレーニング
口腔機能トレーニングは口腔内の筋肉を鍛える体操のことで、咀嚼や嚥下機能を改善することができます。
歯科医院でも口腔機能を改善するプログラムを組みますが、自宅でも気軽にできる口の体操があります。例えば、早口言葉・舌を上下左右に動かす運動なども口腔機能低下症(オーラルフレイル)の予防に効果的です。
歯科検診
歯科検診は、年に1~2回を目安にしてください。歯科検診には、虫歯や歯周病の早期発見だけでなく、口腔内の健康維持という役割もあります。歯科医師や歯科衛生士による専門的なクリーニングで、口腔内の健康を維持しましょう。
義歯の再製作・調整
入れ歯が合わず、噛みにくい場合や食べにくい場合は、我慢して使い続ける必要はありません。合わない入れ歯を使い続けると、噛みにくくなったり痛くなったりする恐れがあります。歯科医院を受診して、義歯を再製作または調整してもらってください。
口腔機能低下症の検査内容

口腔機能低下症の検査は、痛みはほとんどありません。簡単にできる検査が中心なので、ご安心ください。検査時間は、約10分です。
STEP1 問診・視診
問診では、年齢、歯磨きや食事などの生活習慣、既往歴、口腔内の健康状態などを確認します。また、「気になっている症状があるか」なども質問します。
次に、視診です。歯の本数、歯の摩耗、歯肉の状態(歯周病の有無)、歯の動揺度、唾液の分泌などをチェックします。入れ歯を使用している場合、適合しているか・調整や再製作の必要も確認します。
STEP2 機能評価
機能とは、『食べる』機能のことです。ガムやシートなどを使用して咬合力を測定して、噛む機能に問題がないか確認するほか、唇をすぼめたり舌を動かしたりして口腔機能のテストも行います。
以下のチェック項目の三項目以上で「低下」が認められた場合、口腔機能低下症と診断されます。
チェック項目
- 口腔衛生状態(口腔内が汚れていないか)
- 口腔乾燥(唾液量が不足していないか)
- 咬合力(噛む力が低下していないか)
- 咀嚼機能(噛み砕く力が低下していないか)
- 嚥下機能(飲み込む機能が低下していないか)
- 舌・唇の運動機能(舌・唇の動きが遅くないか)
- 低舌圧(舌の力が弱まっていないか)
口腔機能低下症と診断された場合、一人ひとりの状態に合わせて、適切な指導・管理を行います。
口腔機能低下症(オーラルフレイル)の症状が気になったらヨクシオファミリー歯科佳道へ
口腔機能低下症は、放置すると全身の健康にまで影響を及ぼす病気です。しかし、違和感に気付いた時点で歯科医院を受診すれば、適切な対処ができます。日々の生活の中でも、歯磨きや食事、生活習慣などを意識してみましょう。
ヨクシオファミリー歯科佳道では、患者様のライフステージやニーズに合わせて、ご納得のいく歯科治療を提供いたします。口腔機能低下症(オーラルフレイル)の症状が気になる方は、ぜひご相談ください。







