2024.01.15
細菌検査について
はじめに
皆様は予防歯科という言葉をご存知でしょうか?予防歯科とは、口腔疾患にかかってから治療するのではなく、トラブルがおこる原因を作らないようにケアすることです。「歯が悪くなってから歯医者へ行って治療する」のではなく、「歯が悪くなる前に歯医者へ行って予防する」ことです。今回は予防歯科の一つの方法として、細菌検査についてご紹介します。
海外と日本の違い
日本では「歯が痛くなったら歯医者に行く」という認識が強いところが、海外と大きく違います。
日本でも予防歯科の重要性は知られていますが、実際にはあまり浸透していないことが現状です。日本では保険制度の存在が大きいことが考えられます。海外では高額な歯科治療費をかけないために症状がでる前に予防する意識が高いです。そのため西欧諸国を中心に海外では、歯の正しい知識を学校や家庭、歯医者から教育され「デンタルIQ」(歯の知識)が高いのです。また予防のための検診を受けている割合が多いと、最終的な残存歯数も、大きく異なっていることも発表されています。
細菌検査について
ご自身のお口の状況を調べる方法として「細菌検査」があります。細菌検査とは、唾液検査+オルコア(歯周病菌のPCR検査)のことです。
お口の中には虫歯や歯周病を進行させる菌があり、代表的な原因菌として、ミュータンス菌・ラクトバチラス菌・P.g.菌があげられます。その菌は細菌検査で調べることができます。「虫歯になりやすさ」や「むし歯菌の活動を抑制するフッ素の使用状況」などを調べることができ、検査を受けていただくことで、患者様に具体的なアドバイス・治療のご提案をすることができます。
■唾液検査(サリバテスト)
8つのむし歯リスク・むし歯の原因を調べます。
①唾液の量 ②唾液の中和力(唾液緩衝能) ③ミュータンス菌の数 ④ラクトバチラス菌の数⑤プラークコントロール ⑥間食回数 ⑦フッ素使用状況 ⑧DMFT 歯数
【唾液検査の方法】
▽当日
①5分程度、味のないガムを噛んで、唾液を採取します。
②採取した唾液を試験紙につけ、唾液の緩衝能(中和力)を調べます。
③舌に棒状の試験紙をつけ、舌の上に存在している細菌を採取します。
④歯と歯の間の磨き残しも採取、試験紙につけ採取した細菌を培養し、ミュータンス菌とラクトバチラス菌が口の中にどれだけ存在しているのかを調べます。
▽後日
⑤細菌を約一週間培養します。結果は一週間後にカウンセリングをしたうえで、お伝えします。