2024.03.28
親知らずが埋まってる状態でも歯列矯正できる?抜歯の基準も紹介
結論から言うと、歯列矯正治療をする際に、埋まっている親知らずをどうするかは歯科医師の判断によります。
親知らずが横の歯を押したりしていない場合は無理に抜かず、そのままの状態で経過を見ながら、矯正治療を進めるケースもあります。
一方で、歯を並べるスペースが足りない場合や、歯の一部だけが出ていたり、横向きに生えていたりする場合は、矯正治療の妨げになるため、抜歯をすすめられることが多いでしょう。
さらに、親知らずは一番奥にあるため、日々のお手入れが難しく、清潔を保てないこともあります。そうした場合も将来的なトラブルを防ぐために、歯科医師から抜歯を提案されることがあります。
親知らずとは?
親知らずは奥歯の中でもっとも奥に生える歯のこと。
下のイラストの8番にあたる歯です。

歯科用語では第三大臼歯と言い、20歳前後で親に知られることなく生えてくる歯であることから、「親知らず」と呼ばれるようになりました。
親知らずがある本数は人それぞれ。上下左右4本すべてあることもあれば、まったくない人、1本だけある人もいます。
埋まっている親知らずには2タイプある
親知らずは歯茎の中にとどまったままで、まだ生えていない場合もあります。
まだ生えていない親知らずには
- このまま生えずに歯茎の中にとどまるタイプ
- 今後ゆっくり生えてくるタイプ
の二通りがあります。
埋まっている親知らずを抜く必要はある?
結論から言うと、必ずしも抜く必要はないと当院では考えています。
親知らずは他の歯より大きな歯ですが、よほど生え方が悪くない限り、歯列に大きな影響を与える可能性は低いからです。

・歯が並ぶスペースが十分にある
・埋まっていても隣の歯を押していない
・親知らずがまっすぐ生えてくる可能性が高い
・生えてきてもIPRで対応できる可能性が高い
以上の場合は、当院では基本的には抜歯をしない方向で治療を進めることが多いです。
IPRによる対応とは、歯と歯の間を削る処置のことで、特にインビザラインではよく使われます。IPRによってスペースが確保できる場合、抜歯をしないケースが多いです。
埋まっている親知らずを抜く必要がある場合
当院では親知らずの抜歯を積極的に進めてはいませんが、
- 歯を並べるスペースを確保したい場合
の他、埋まっている親知らずが生えようとして
- 隣の歯を押してしまい悪影響を及ぼしている
- 虫歯や歯肉炎の原因になっている
などの、矯正治療に悪影響を及ぼす場合は抜歯を検討します。
歯を並べるスペースを確保したい場合
前歯にスペースがない場合、奥歯を抜歯して歯列を全体的に後ろへ下げる治療をおこないます。
物理的に親知らずがあると後ろへずらせなくなるため、スペース確保のために親知らずを抜歯します。
矯正治療を始める前に埋まったままの状態で抜歯するか、生えてきた段階で抜歯するかは歯科医師の判断によります。
カウンセリングの段階で、治療計画を聞いて歯科医師とよく話し合った上でどの方法をとるか決めましょう。
隣の歯を押してしまい悪影響を及ぼしている
親知らずがまっすぐに生えてきて、かみ合わせや歯並びに影響をあたえていなければ抜歯はせずに済みます。
親知らずが横向きや斜め方向へ生えているケースや、歯肉や骨に埋まって一部でも露出しているケースでは、抜歯を検討せざるを得ません。
親知らずが歯列矯正へどのような影響を及ぼすかを判断するには、歯科用CTの精密な検査や経験豊富な歯科医師の知見が必要です。

虫歯や歯肉炎の原因になっている
親知らずが虫歯になってしまい、歯肉炎など他の症状を併発している場合は抜歯が必要です。まずは優先して親知らずの処置が優先されます。
親知らずの虫歯が進行してしまい歯肉炎にまで発展してしまうと、痛みがひどくなり、歯列矯正どころではなくなります。
特に親知らずが半分ほど歯茎に埋まっている場合や横向きに生えている場合は、隙間に食べかすがたまり、虫歯や歯肉炎を起こしやすくなっているので、注意が必要です。


歯列矯正中に埋まっている親知らずが生えてきたら?
埋まっている親知らずが生えてきたとしても、歯列矯正に大きな影響を与える可能性が低い場合は様子を見ます。
ただ、親知らずが手前の歯にかぶさるように生えてきたり、治療の進み具合で奥歯全体を奥側に移動しなければいいけなくなったりした場合は、抜歯を提案することがあります。
歯列矯正で親知らずをいつ抜く?
矯正治療で親知らずを抜歯するタイミングは歯科医師によってそれぞれですが、基本的には治療前に親知らずを抜歯するパターンが多いです。
親知らずの抜歯は1度に2本まとめて抜くなど、複数対処してもらえるケースもありますが、1日に4本の親知らずを抜歯すると食事がままならなくなるため、通常は数回にわけて抜歯します。
矯正治療前に少々時間を必要としますが、きれいな歯並びのために我慢するしかありません。
親知らずはどうやって抜く?
親知らずのせいで痛みや歯茎の腫れがあったり、歯並びに悪影響が出ていたりする場合は、抜く必要があります。抜歯は次の手順で進められます。
検査
レントゲン撮影で親知らずの生え方や根の状態を確認します。特に下あごの親知らずは、太い血管や神経に近い場所に生えているので、場所や状態を丁寧にチェックします。
麻酔
抜歯時の痛みを抑えるため、局所麻酔をします。当院では、麻酔を打つ時の痛みそのものを楽にするために、注射前に表面麻酔を塗ります。また、注射針も最も細いものを使用し、刺入速度を早くするために日々トレーニングを重ねるなど、痛みを最小化するための努力をしています。
ご希望があれば静脈鎮静法も適用できます。
静脈内鎮静法とは点滴注射から薬剤を注射して、治療の恐怖感や治療時の器具による吐き気等を防止をし、患者様に精神的な負担を軽減する治療のこと。
薬剤の効果で半分寝ている状態なので、治療の記憶がほとんどない事例が多いです。
抜歯
親知らずでも、まっすぐ上向きに生えている場合は、他の歯同様に歯を引っ張って、抜き取ります。
一方、埋まっている親知らずの場合は、まっすぐ生えている親知らずと同じように引き抜くことができません。
まず、上にかぶっている歯肉を切り開いて歯を露出させます。親知らずを覆う骨に穴を開け、この穴より小さくなるように親知らずを分割して抜き取ります。
後処理
歯をすべて抜き取ったら、歯があった場所に残った組織や骨の破片などを器具で掻き出して、生理食塩水で洗い流し、きれいにします。
その後、切開した面を術前と同じ状態になるように縫合します。縫合することで、早期治癒が期待できます。
最後に、止血のため10分ほどガーゼを噛んでいただきます。ただ、麻酔液に血管収縮剤が含まれているため、ほとんどの場合、大きく出血することはありません。
服薬・消毒
抜歯後は一時的に口腔内細菌が全身をめぐります。口腔内細菌が血管の細部にとどまり増殖をしないように抗生物質が処方されます。口腔内の状態に関わらず、処方された日数分はすべて飲み切るようにしましょう。
抜歯時の麻酔は3時間ほどで切れてしまいます。痛みが不安な方は、抜歯直後に鎮痛剤を服用するようにしましょう。
通常は抜歯の翌日に、腫れや感染などがないかの確認と消毒をします。
必要に応じて抜糸
抜歯後1週間ほどで、傷口がふさがる場合が多いです。自然に吸収される糸以外を使用した場合は、抜歯から1~2週間で抜歯します。
親知らずを抜いた後の注意点
抜歯後の穴にできた血餅をはがさない
抜歯した後の穴に赤い血のかたまりができます。これは血餅と呼ばれるかさぶたのようなもので、露出部分を塞いでくれます。
出血を抑え、傷口の治癒を助けてくれるものなので、取れてしまわないように、
- 激しいうがいをしない
- 歯ブラシで刺激しない
- 飲酒や長風呂など血行が良くなる活動を控える
- 硬いものを食べない
などを心がけてください。
親知らずを抜くメリット・デメリット
抜歯のメリット
日々のケアがしやすくなる
親知らずはあごの一番奥にあるため、意識して丁寧に磨かなければ磨き残しが出やすい歯です。生え方によってはケアに時間やテクニックを要するため、抜いてしまった方が楽な場合もあります。
虫歯や歯周病のリスクを低減できる
親知らずは日頃のケアが行き届きにくいため、虫歯や歯周病になるリスクが高くなります。
矯正装置をつけることで歯磨きがよりしにくくなり、矯正をしていないときに比べて虫歯・歯周病のリスクが高まります。
そうなる前に抜いておいたほうが良いという考え方もあります。
抜歯のデメリット
腫れや痛みが出る場合もある
まっすぐ生えている親知らずの抜歯は、他の歯の処置とほとんど同じです。
しかし、親知らずがあごの骨に埋まっていたり、歯根の形が複雑であったりする場合、処置が複雑になります。
処置に時間がかかる他、処置後の腫れや痛みが出る場合があります。
神経や血管を傷つける可能性がある
特に下の親知らずを抜歯する場合は、近くにあごの感覚神経が通っているため、傷つけるリスクがあります。
神経が傷つくと下あご付近の感覚が鈍くなったり、ピリピリとしたしびれが続いたりすることが考えられます。
歯列矯正をするならヨクシオファミリー歯科住道へ
埋まっている親知らずがあっても、歯列矯正が問題なくできるケースも多くあります。
ただ、親知らずの状態によっては矯正治療開始前に抜いた方がよい場合も。
特に、痛みや歯茎の腫れなどの不快感がある場合は、カウンセリング時に必ず伝えるようにしましょう。
いざ親知らずを抜くとなった場合、痛みや腫れが気になる方も多いと思います。
当院では無痛治療をめざして、歯科医師の技術を磨くだけでなく、麻酔注射の感覚がほとんどない電動麻酔器を使用するなど、痛みを最小化するための環境を整えています。
歯列矯正する上で、親知らずの処置が心配な方は、一度ご相談ください。
LINEでの相談も受け付けています。







