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2024.10.10

突然の「歯が痛い!」 子どもの口腔トラブルに対する応急処置を徹底解説

お子様の口腔トラブルは突然やってきます

小さなお子様を持つ親御様にとって「子どもが急に歯が痛いと言い出して困ってしまった」というエピソードは、いわゆる「育児あるある」の一つと言っても過言ではありません。

平日のお昼どきであれば、すぐに診てもらえる歯科医院を探すこともできそうですが、土日や夜間など、なかなか受診できる歯科医院が見つからないというケースもあるでしょう。

そんな「子どもの歯が痛い問題」について、まずは考えられる原因をいくつか紹介します。

そして原因に合わせて、正しい応急処置で痛みを取り除いてあげられるようにしましょう。

子どもの「歯が痛い!」には、いくつかの原因があります

例えば「公園で歯をぶつけて折れてしまった…」など、明らかな原因が分かっていれば、医療機関へ相談して適切な処置の方法を教えてもらえるかもしれません。

しかし、お子様が急に歯が痛いと言い出した場合、その理由が分からないというケースの方が多いのが事実です。

まずは以下に、よくある歯痛の原因を挙げていきますので参考にしてみてください。

1.虫歯が進行して痛みが現れ出した

虫歯は、お子様の口腔トラブルで最もメジャーなものでもあります。

初期の虫歯は、歯の表面にあるエナメル質が溶け出すだけなので、痛みや違和感を覚えることはほとんどありません。

しかし、少しずつ進行した虫歯がエナメル質を通過して内部の象牙質へ達すると、急に激しい痛みを感じるようになります。

それ以上に進行すると、次は神経にも痛みが出るようになり、その時の痛みは大人の方でも我慢ができないほど激しいものになってしまいます。

冷たいものや甘いもの、熱いものがしみるという訴えがある場合は、虫歯が進行して痛みが出ているかもしれません。

2.歯の生え変わりで痛みを感じるようになった

乳歯から永久歯に生え変わるタイミングで痛みを訴えるお子様は多くいらっしゃいます。

特に奥歯は、今まで歯がなかった部分に新しい歯が生えてくるため、違和感を覚えるお子様が多いようです。

6歳前後で、ズキズキとした痛みではなくチクチクと痛みが出ている、口の中が変な感じがする、という場合には、もしかすると歯の生え変わりや新しい歯の萌出が原因かもしれません。

3.口腔環境の悪化で感染症にかかっている

毎日のブラッシングが不十分になると、歯茎が腫れたり神経に細菌が達してしまったりと、さまざまなトラブルが起こるようになります。

歯周炎や口内炎といった問題も、口腔環境が悪いことで細菌感染が起こっている状態です。

親御様がお口のチェックをして、歯石やプラークが付着している箇所はしっかりと仕上げ磨きをしてあげる必要があるでしょう。

4.顎関節症になっている

小さなお子様は、歯の痛み、口内炎、顎の痛みなど、お口周りの痛みを分けて表現できないことがあります。

歯が痛いと言われて検査をしたところ、顎に負担がかかり顎関節症になっていたというケースも少なくありません。

とはいえ、顎関節症でも歯が痛くなったり噛み合わせに違和感が出たりと、さまざまな症状が現れますので、顎なら大丈夫、と放置していいものではありません。

5.知覚過敏の痛みを訴えている

歯のエナメル質が薄くなっていたり、小さな虫歯ができていたりすると、小さなお子様でも知覚過敏が起こることがあります。

冷たいものを噛むと痛い、酸っぱいものがしみるなどの訴えがある場合は、虫歯チェックと合わせて知覚過敏のケアもしてあげるようにしたいですね。

原因に合わせた応急処置で痛みを軽減しましょう

子どもの歯の痛みにはさまざまな原因があるということを知っていただいた上で、次にそれぞれの原因に合わせた応急処置の方法を紹介していきます。

一昔前までは、歯が痛い=冷やす、というイメージが強かったですが、原因によっては冷やすことで痛みが強くなってしまうこともありますので、闇雲に冷やすのではなく、正しいケアや処置をしてあげることが大切です。

1.虫歯は刺激になるものを控え、なるべく早く治療を!

虫歯の痛みは、大人でも日常生活に支障をきたしてしまうほど辛いものです。

「普段は歯医者を嫌がる子どもが自分から歯医者に行くと言い出した」という話があるほど、お子様にとっても耐え難い苦痛です。

そのため、必要に応じて痛み止めを用いて対処をすることも検討しましょう。

その際は、子ども用の鎮痛剤で、歯痛を抑える効果があるものを選びましょう。

患部を過度に冷やしたり温めたり、甘いものや辛いものを噛んだりしないように気をつけ、なるべく早く歯科医院で治療を行うことが大切です。

2.歯の生え変わりは成長痛の一種と捉えましょう

虫歯や感染症と異なり、歯の生え変わりによる痛みは一時的なものです。

食事の際に違和感がある、少しチクチクする、という程度であれば、特に緊急で処置を行う必要はありません。

食べるときに反対側で噛むようにするなどして、少しずつ慣れていきましょう。

どうしても痛みが強い場合には、子ども用の鎮痛剤を使用して緩和することも可能です。

3.炎症の腫れは冷やすことで和らぐことがあります

歯茎の腫れによって顔まで腫れている、熱を帯びているという場合には、冷たいタオルなどで顔を冷やすようにしましょう。

こまめにうがいをしたり、極力ブラッシングをしたりと、お口の中を清潔に保つことが大切です。

感染症による腫れは、痛み止めではあまり効果がありません。

感染部分が拡大する前に、歯科医院できちんと専門の治療を受けるようにしましょう。

4.顎関節症は、顎の使い方に気をつけて過ごしましょう

歯ではなく顎が痛い場合には、顎の負担を和らげることが改善に繋がります。

大きな口を開けたり、硬いものを無理に噛んだりしないように気をつけましょう。

顎が痛い時は、冷やすのではなく顎を温めることが大切です。

ホットタオルで顎周りを覆うなどして、顔の筋肉をリラックスさせると痛みが緩和されるのでおすすめです。

5.知覚過敏は刺激物を避け、専用のケア用品で対処します

冷たい食べ物や飲み物、刺激の強いものを控えることで知覚過敏のツンとした痛みを起こさないように気をつけましょう。

また、お子様でも使える知覚過敏用の歯磨き粉を用いることで、普段のケアも無理なく行うことができます。

しみるからと言って歯磨きをしなくなってしまうと、虫歯や感染症のリスクが高まってしまうので、ケアはきちんと続けることが大切です。

冷やすor温める?迷った時の早見表

自宅でできる対処法として、薬を飲む以外では「冷やす」か「温める」の二択になることがほとんどです。

大まかにでも原因がわかっている場合には、以下の内容を参考に正しい応急処置を行うようにしましょう。

炎症や外傷など、直接的な腫れがある場合には「冷やす」!

  • お口周りの外傷によって顔が腫れている
  • 感染症で歯肉が炎症を起こし、熱を持っている
  • 親知らずや歯の生え変わりで痛みが出ていて、顔が腫れている
  • 顎関節症から炎症を起こしてしまった

など

筋肉の緊張をほぐすなど、リラックスが必要な場合は「温める」!

  • 顎関節症で顎の筋肉が緊張してしまっている
  • 歯ぎしりや食いしばりといった癖が原因で顔周りに痛みが出ている
  • 慢性的な炎症で、冷やしても効果がない
  • 副鼻腔炎など、歯とは直接関係がない痛み

など

まとめ

お子様の急な「歯が痛い!」は、親御様にとっても一大事です。

歯科医院を受診して治療を受けるまでの間、少しでも痛みを和らげてあげたいものです。

そのためには、まず原因を明確にして、正しい応急処置の方法を知ることが大切です。

また、応急処置によって痛みが治ったからといって、お子様のお口の状態をそのままにしておくことはできません。

なるべく早く歯科医院で痛みがあったことを相談し、適切な治療に繋げていくようにしましょう。

当院では、お子様のお口の状態に合わせた治療はもちろん、痛みに悩まされることがないように丁寧な予防やケアのサポートにも取り組んでいます。

お子様が痛みで辛い思いをしないように、親御様と二人三脚でお子様のお口と向き合ってまいります。

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