2025.03.06
子どもの歯並びが悪い…原因・治療法・相談すべき時期をわかりやすく解説
お子さんの歯並びが気になる、矯正治療が必要か悩んでいるご家庭は多いものです。しかし、「一体いつから歯医者さんに相談すればいいのか」「大人になってからの矯正ではダメか」など、疑問もたくさんあるのではないでしょうか。
この記事では、歯並びの種類、治療法、早いうちの治療がなぜ大切なのかなど、わかりやすく解説していきます。お子さんの歯並びについて、少しでも不安に思っている方は、ぜひ参考にしてください。
子どもの歯並びが悪い?歯並びの種類
歯並びが悪いとされるタイプは、大きく分けると以下のものがあります。
受け口
反対咬合(はんたいこうごう)とも呼ばれ、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態です。
出っ歯
上顎前突(じょうがくぜんとつ)や口ゴボとも呼ばれ、上の前歯が前に突き出ている状態です。
開咬(かいこう)
オープンバイトとも呼ばれ、前歯で噛み合わず、口を開けた状態になっています。
過蓋咬合(かがいこうごう)
上の前歯が、下の前歯を大きく覆い被さっている状態です。
すきっ歯
空隙歯列(くうげきしれつ)とも呼ばれ、歯と歯の間に隙間があいている状態です。
叢生(そうせい)
乱ぐい歯とも呼ばれ、歯がガタガタ、デコボコに生えている状態です。八重歯や歯がねじれている状態も含まれ、日本人に最も多い歯並びのタイプです。
子どもの歯並びが悪い原因とは?
子どもの歯並びが悪い原因には、遺伝と生活習慣の両方が関係しています。
遺伝的要因
顎の形や大きさ、歯の大きさなど親から受け継ぐ要素が関連しています。
環境的要因
生活習慣の癖(指しゃぶりや口呼吸、舌を歯に押しつける、頬杖をつく、姿勢が悪い、うつ伏せ寝など)や、乳歯のケア不足が原因となることが多く、早い段階で歯科医のアドバイスを受けることが重要です。
また、正しい食生活や口の使い方を意識することで、予防できるケースもあります。
子どもの歯並びの悪さを放置するとどうなる? 親が知っておくべきこと
お子さまの歯並びが悪いと、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。
虫歯・歯周病のリスク上昇
歯が重なり合っていたり、歯と歯の間が狭かったりすると、歯ブラシが届きにくく、歯垢や食べカスが溜まりやすい箇所ができてしまいます。
これらの場所は、丁寧にブラッシングしても汚れが残りやすく、虫歯や歯周病の原因となります。
消化機能への影響
噛み合わせが悪いと、食べ物を十分に噛み砕くことができず、消化器官に大きな負担をかけてしまいます。
特に、成長期の子供は、栄養をしっかりと吸収することが体の発育に不可欠です。
発音が悪くなる
歯と歯の間に隙間があったり、歯並びが不揃いだったりすると、発音時に空気が漏れてしまい、言葉が聞き取りにくくなることがあります。
また、舌の動きが制限されることで、特定の音の発音が難しくなり、吃音(きつおん)や発音の遅れを引き起こす可能性も指摘されています。
顎関節症のリスク
噛み合わせが悪い状態が長く続くと、顎の関節やその周りの筋肉に大きな負担がかかってしまいます。この状態が続くと、顎関節症にかかる可能性が高まります。
顎関節症になると、口が開きにくい、顎が痛いといった症状が出るだけでなく、頭痛や肩こりなど、体のあちこちに不調が現れることもあります。
見た目のコンプレックス
歯並びの悪さは、見た目のコンプレックスとなり、自信の喪失や対人関係への影響を引き起こす可能性があります。
特に思春期には、外見に対する意識が高まるため、心の成長にも悪影響を及ぼすこともあるかもしれません。
子どもの歯並びはいつ決まるの?
子どもの歯が並ぶスペースや上下の歯がどのように噛み合うかは、永久歯が生え始める6歳頃までに決まってしまいます。
これは、顎の骨が6歳までに大人の約80%まで成長し、歯を支える土台がほぼ完成してしまうためです。早期の観察とケアが、将来の歯並びを大きく左右します。
子どもの歯並びが悪い場合、最初に相談するタイミングはいつ?
気になったタイミングで、お気軽に矯正歯科にご相談ください。特に、乳歯が生え揃った頃(3歳頃)、永久歯が生え始める頃(6〜7歳頃)に一度、相談することで、より良い治療計画を立てられる可能性があります。
子どもの歯並びが悪い場合、いつ矯正治療を開始する?
一般的に「小学校入学前後」が適した時期とされています。この頃になると、乳歯から永久歯への生え変わりが進んでおり、歯並びの状態を詳しく調べることが可能です。特に、7歳〜8歳あたりから小児矯正をスタートすることで、顎の成長を促し、より効果的な治療が期待できます。もし、お子さまが治療に抵抗を示す場合でも、12歳頃になると思春期を迎えて自己意識が高まり、自分の歯並びについて積極的に関心を示すようになるかもしれません。
子どもの歯並びを改善する治療法とは?
小児矯正は、成長期に応じて2段階で治療が行われ、それぞれ治療の特徴やアプローチが異なります。
2つの時期について、以下の表にまとめました。
歯の状態 | 乳歯と永久歯が混在している時期
(一般的に6〜12歳頃) |
永久歯がほぼ生えそろった時期
(一般的に10〜15歳頃) |
治療段階 | 第1期治療(早期治療) | 第2期治療(本格治療) |
治療の特徴 | ・永久歯が正しく生えてくるためのスペースを確保し、将来的に本格的な矯正治療をスムーズに進める準備
・抜歯を避ける |
・歯並びの乱れを根本的に改善し、美しい笑顔と健康な口腔機能(咬合、発音、顔貌)を目指す |
治療法 | 床矯正、拡大装置、機能訓練装置など | ワイヤー矯正、マウスピース矯正など大人の矯正治療と同様 |
骨格への対応 | 顎の骨の成長を促し、歯並びの基礎を作る | 骨格的な問題がある場合は、顎の骨の位置を調整する |
治療のゴール | 歯並びを良くするための土台作り | 美しい歯並びで、しっかり噛める歯にする |
注意点は以下の3つです。
- すべてのお子さんが第1期治療を必要とするわけではなく、第2期治療から始める方が適している場合もあります。
- 第1期治療だけで終わる場合もありますが、多くの場合は第2期治療(仕上げの矯正治療)が必要になります。
- 第1期治療では噛み合わせなどの機能的な問題を改善することを主な目的とします。歯並びの美しさなど審美的な面も同時に考えたい場合は、第2期治療も検討することをおすすめします。
- 子どもの歯並び、早めに治す3つのメリット
大人になってからの矯正と比較して、乳歯と永久歯が混在している時期の子どもの矯正には、いくつかのメリットがあります。
骨格的な問題を根本的に改善
永久歯が生えるためのスペースを確保し、上下の顎のバランスを整えることで、歯並びが改善し、結果的に顔全体のバランスが整えられます。
治療期間の短縮
子どもは顎の骨が成長しているため、歯を動かしやすく、比較的短期間で治療を完了できる可能性があります。
抜歯の確率を減らせる
子どもの場合は顎の成長を利用して歯を動かすため、大人になってからの矯正で必要となる抜歯を避けられる可能性があります。
早期矯正が必要な子どもの歯並びは?
小児矯正をできるだけ早く検討していただきたいケースは、以下のとおりです。
- 受け口
- 叢生(そうせい)
- 開咬(かいこう)
- 出っ歯
どれだけ早く始められるかが勝負になるため、できるだけ早い段階で、一度相談することをおすすめします。
日頃から定期検診を受けていると、矯正を開始するのに適切なタイミングを逃さないので安心です。
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子どもの歯並びの悪さが気になったら、ヨクシオファミリー歯科住道
「歯並びが気になるけど、相談するには早いかな?」と悩んでいる方も多いかもしれませんが、早すぎるということは決してありません。成長期は、お子さまの歯並びや噛み合わせを効率よく改善できる絶好のチャンスです。
当院では、小児矯正の専門医がお子さま一人ひとりに寄り添い、成長段階に合わせた最適な治療法をご提案します。
「矯正治療を始めるタイミングが分からない」「そもそも矯正治療が必要なの?」など、どんな些細な疑問でもお気軽にご相談ください。専門スタッフが丁寧にお答えします。
お気軽にヨクシオファミリー歯科へご相談ください